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統合Optics-on-Siliconの進歩により、化学物質検出、高速通信、LIDAR性能の向上への道筋を構築

March, 4, 2025, San Francisco--CEA-Letiの科学者は、Photonics West 2025で3つの論文を発表し、シリコン上の光学系を統合して化学検出、高速通信、LIDAR性能向上の最新の研究開発成果について詳しく説明した。

「シリコン上の統合オプティクスは、多くの多様で重要なアプリケーションでますます重要な役割を果たす。と言うのは、フォトニック統合コンポーネントはコンパクトで製造が容易であり、高度な材料の統合を可能にするからである」と、CEA-Letiのオプティクスおよびフォトニクス部門責任者Cyril Fellousはコメントしている。

論文「Design and Integration of Hybrid IIIV/Si Mid-Infrared Laser Sources and Photonic Circuits for Chemical Sensing Applications」では、4µm~5µmのスペクトル範囲で動作する革新的なハイブリッドIII/V-on-silicon量子カスケードレーザの設計、製造、および特性評価について報告している。この新しいアーキテクチャは、モノリシックな「フルIII/V」アプローチと比較して、これらのレーザの統合効率を向上させる。

「光フィードバック、導波路ルーティング、電力伝送など、レーザのすべてのパッシブ機能がシリコンに定義されているため、設計の自由度が高くなる。ケミカルセンシングは、分光法、材料処理、化学および生体分子センシング、セキュリティ、および産業アプリケーションの可能性が高まっているため、中赤外シリコンフォトニックデバイスの活発な研究分野であり、主要なアプリケーションとなっている」と、論文の筆頭著者であるMaxime Lepageは説明している。

論文「FMCWフラッシュLiDAR用の大型フラットな照明遠方場プロファイルを備えたグレーティングカプラの設計」では、ビーム分離とシーン照明などの主要な光機能をフォトニックチップ上に統合したグレーティングカプラの設計を紹介している。グレーティングカプラは、水平方向と垂直方向の両方で広い視野(FOV)で垂直発光を可能にし、均一な遠方視野照明プロファイルを維持する。

この革新的な設計は、重要なコンポーネントを1つのデバイスに統合することで、周波数変調連続波(FMCW)フラッシュLiDARの光学系を改善し、自動運転、顔認識、ロボティクスなどのアプリケーション向けのコンパクトで効率的なLiDARシステムの可能性を開く。

「FMCWフラッシュLIDARの照明光学系のこの統合バージョンは、このタイプのLIDARの統合バージョンに向けた第一歩である」と、論文の筆頭著者Paul Camusは説明している。

論文「Towards Fully Integrated Frequency Comb Based Transceivers」では、窒化シリコンプラットフォーム上での高速通信のための非線形フォトニクスの進歩について報告している。チームは、200mmウエファ上に超低損失SiN導波路と部品を作製して、周波数コムを生成し、コムラインを分離した。このような回路は、多くのレーザを単一の周波数コムソースに置き換えることにより、高速トランスミッタのコストと消費を削減する。

光周波数コムは、規則的に間隔を空けた多くの目立たない非常に安定した波長を含む光信号の一種であり、したがって、複数の並列レーザ光源として機能する。これらは、SiNなどの適切な材料で非線形光学プロセスを使用して生成される。

「この成果は、非線形フォトニクスに基づく完全統合型フォトニックトランスミッタに向けた重要な一歩である」と、論文の筆頭著者Baptiste Routierはコメントしている。「これらの機能は、別々に、または同じチップ上にある場合は、材料の異なる層で実証されている。われわれの知る限り、これが単一層で達成されたのは初めてであり、製造プロセスを簡素化し、デバイス全体の信頼性を向上させるため、これは重要である。」