February, 21, 2025, San Francisco--CEA-Letiの研究者は、液晶セルとCMOSイメージセンサを使用して、単一のデバイスで光を感知し、それに応じて変調できる最初の報告デバイスを開発した。
このコンパクトなシステムは、固有の光学アライメントとコンパクトさを提供し、スケールアップが容易で、顕微鏡や医用画像などのアプリケーションでのデジタル光位相共役(DOPC)技術の使用を容易にする。
「このデバイスの主な利点は、個別のコンポーネントを必要とする競合システムと比較して大きな利点を提供し、より複雑で大規模な光学システムへの展開を促進するはずである」と、CEA-LetiのミックスドシグナルIC設計の研究エンジニア、IEDM2024で発表された論文の筆頭著者Arnaud Verdantは話している。
CEA-Letiは、論文「A 58×60 π/2-Resolved Integrated Phase Modulator And Sensor With Intra-Pixel Processing」で、これが液晶ベースの空間光変調器とカスタムロックインCMOSイメージセンサをハイブリッド化した最初のソリッドステートデバイスであると説明した。統合された位相変調器とセンサは、58×60ピクセルの配列を組み込み、各ピクセルが光の位相を感知して変調する。
このデバイスは、DOPCの主な利点を活用して、光波面歪みを動的に補償し、様々なフォトニックアプリケーションでの性能を向上させ、イメージングシステムの光学収差を補正する。レーザビームを正確に制御することにより、生物医学アプリケーション向けの光学イメージング技術の解像度と透過深度を向上させる。
標準的なDOPCシステムは、分離されたカメラと光波面変調器に依拠しているが、それらの帯域幅は、これらのデバイス間のデータ処理と転送によって制限される。システムが各ピクセルの光位相変調を局所的に検出して制御すると、帯域幅はピクセル数に依存せず、液晶の応答時間によってのみ制限される。この機能は、生体組織などの高速に脱相関する散乱媒体における重要な利点である。
「生体組織やその他の複雑な媒体での散乱は、光を集束させる能力を大幅に制限する。これは、多くのフォトニックアプリケーションにとって重要な要件である。波面整形技術は、これらの散乱効果を克服し、集束した光の伝送を実現できる。将来的には、光の集束によって腫瘍内の光感受性薬物が選択的に活性化される光線力学療法などの応用が可能になる」とVerdantは説明している。
「この技術がさらに成熟すると、生物医学画像の解像度と深度が向上するだけでなく、様々なセクターで多様なメリットが得られる。これにより、病気の早期発見と非侵襲的治療が可能になる。産業界では、レーザビームの品質と効率を向上させることができる」(Verdant)。