Science/Research 詳細

高コントラストな電子顕微鏡イメージング法を開発

February, 12, 2025, 東京--東京科学大学(Science Tokyo)物質理工学院 材料系の三宮工教授と日本電子株式会社の安原聡博士、FHエレクトロンオプティクスの細川史生代表、京都工芸繊維大学の浅岡定幸准教授、同志社大学の彌田智一教授らの研究チームは、走査透過電子顕微鏡に、半円形の開口絞りを導入することで、低い空間周波数から高い空間周波数まで均一な情報伝達を可能とする位相イメージング法を開発した。
またこの手法を、有機材料や生体試料、磁性材料のイメージングに適用し、高いコントラストでの位相イメージングが可能であることを確認した。

これまでの位相イメージング法には位相板劣化の問題があったが、この手法は、通常の走査型透過電子顕微鏡に半円形の開口絞りを導入するだけの極めて簡便で安価なセットアップで、高コントラストでの位相イメージングを実現した。電子散乱が少なく低コントラストな軽元素からなる構造をもつ生物試料の観察はもちろん、同様に軽元素からなる有機材料の解析・開発、半導体や磁性体における電磁場分布の解析など材料解析・開発にも広く適用されることが期待できる。
(詳細は、https://www.isct.ac.jp)