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TRUMPFとSCHMID Group、コスト効果の高い高速チップを開発

February, 3, 2025, Ditzingen/Freudenstadt--TRUMPFとSCHMIDグループは、世界のチップ業界向けに最新世代のマイクロチップの革新的な製造プロセスを開発している。これにより、メーカーはスマートフォン、スマートウォッチ、AIアプリケーション向けのハイエンド電子部品の性能を向上させることができる。
アドバンスドパッケージングと呼ばれるプロセスでは、メーカーはインタポーザと呼ばれるシリコンコンポーネントに個々のチップを組み合わせる。TRUMPFとSCHMIDのプロセスにより、これらのインタポーザは将来的にガラス製にすることができる。「ガラスを使用した高度なパッケージングは、半導体業界にとって重要な将来の技術である。ガラスはシリコンよりも大幅に安価だ。これにより、メーカーは生産コストを削減し、高性能なエンドデバイスを顧客にとってはるかに手頃な価格にすることができる」と、TRUMPFのビジネス開発マネージャ、半導体担当、Christian Weddelingはコメントしている。
TRUMPFとSCHMIDは、ガラスを使用した高度なパッケージングのための複合レーザエッチングプロセスを開発している。両社は、プロセス時間を10倍に短縮する特別なアプローチをウェットケミストリー(湿式化学)に採用している。「これをうまく機能させるには、レーザとウェットケミストリーを非常にうまく調整する必要がある」(Weddeling)。

TRUMPFとSCHMIDグループの緊密なパートナーシップ
製造プロセスには、細心の注意と精度が必要になる。これは、使用されるガラスが100µm~1㎜の薄さだからではない。比較のために、100µmは紙の厚さ、クレジットカードは約1㎜の厚さとほぼ同じである。インタポーザに接続するには、製造者はガラスに穴を開ける必要がある、いわゆるガラス貫通ビア(TGV)である。製造者は、多くの場合、目的の接続を行うためにパネルに何百万もの穴を開ける必要がある。「TRUMPFのレーザ技術と、SCHMIDグループのマイクロチップ製造用エッチングプロセスに関する専門知識の組み合わせにより、効率的な生産が可能にな.」と、SCHMIDグループの太陽光発電部門責任者、Christian Buchnerは説明している。
TRUMPFの超短パルスレーザは、ガラスの構造を選択的に変化させ、エッチング溶液で処理する。所望の穴を指定された位置に作成し、銅で埋めて導体トラックを形成する。「レーザとエッチングのプロセスを完全に調整して、正確な穴を開ける必要がある。両社の緊密な協力関係によってのみ、業界で標準的な極めて高い精度を達成することができるのである」とBuchnerは話している。

技術企業にとって重要な将来市場
Boston Consulting Groupによると、高度なマイクロチップ・パッケージングの市場は、2030年までに960億ドル以上に成長する見込である。ハイテク企業のTRUMPFと、チップ業界のパートナーとして有名なSCHMIDグループにとって、ガラスを使った先進的なパッケージングも、重要な未来の市場に発展する可能性がある。現在、スマートフォンなどの家電製品のアプリケーションが高度なパッケージングセクターを支配している。将来的には、人工知能の分野におけるアプリケーションが成長の原動力となる可能性がある。