December, 24, 2024, 京都--京都大学、中村勇真 理学研究科博士課程学生、高橋義朗 同教授、高野哲至 同特定准教授、高須洋介 同准教授らの研究グループは、量子ビットとして優れた性質を持つイッテルビウム原子の2種類の同位体をそれぞれ補助量子ビットおよびデータ量子ビットとして用いる手法を開発した。
この方法により、データ量子ビットに影響を与えない補助量子ビットの読み出しが可能になることを実証した。これにより中性原子型量子コンピュータにおいて量子誤り訂正の実装が容易になり、量子コンピュータの実用化が加速すると期待される。
量子力学の原理を用いて計算を行う量子コンピュータは、特定の問題を現在のコンピュータよりも高速に解くことができるとされ、盛んに研究開発が行われている。量子コンピュータの様々な実装方式の中でも、中性冷却原子を用いた方式は大規模化が容易であることや量子ビット間の接続性の良さから近年注目度が高まっている。しかし、この系では大規模な量子計算に必要な量子誤り訂正を行うための補助的な量子ビットの読み出しを、データを保持する量子ビットに影響を与えずに行うことが困難だった。
研究成果は、2024年12月10日に、国際学術誌「Physical Review X」にオンライン掲載された。
(詳細は、https://www.kyoto-u.ac.jp)