February, 3, 2015, Glasgow--グラスゴー大学(Glasgow University)とヘリオットワット大学(Heriot-Watt University)の研究チームは、自由空間でフォトンをどのように遅らせるかについて初めて報告した。光ビームにマスクを付けて空間構造を与えることでフォトンを減速することが可能であることを実証した。
実験はレースのように設定されており、2つのフォトンがゴールに向かって一定の距離を進むように同時に放たれる。
単一の光パルスは多くのフォトンを含んでいる、また光パルスが多数の異なる速度で特徴づけられていることもわかっている。
一つのフォトンが予想通りにゴールに着いても、マスクで形状を変えて構造化されたフォトンは遅れて到着する、つまり空間を移動する速度はもっと遅いということになる。1mの距離で研究チームは最大20波長の減速を計測し、計測精度よりも何倍も大きいことを確認した。
この研究は、光ビームがマスクを通過した後、フォトンはさらにゆっくりと空間を進むことを実証している。光がガラスや水などの媒体を通る時の減速効果とは、これは決定的に違う。光が媒体を通るときは、その時だけ減速するが、通り抜けると光の速度は元に戻る。光をマスクに通す効果は、フォトンが進む最高速度を制限する。
論文の著者の一人、Daniel Giovannini氏は「構造化されたビームに導入した減速は小さく、1mの距離で数µmと計測されたが、それは重要であるる。われわれは同様の効果を2つの異なるタイプのビーム、ベッセルビームとガウシアンビームとして知られるビームで計測した」とコメントしている。