微生物を3Dでイメージングする新技術

October, 9, 2024, Pasadena--カリフォルニア工科大学(Caltech)の研究者たちは、バクテリアと植物の根の複雑なコミュニティの3次元画像を作成する新しい方法を開発した。この技術は、蛍光による微生物の可視化と、定量的位相イメージングと呼ばれる非侵襲的手法という2つの従来のイメージング方法を合成している。

この技術は、植物の根が微生物と相互作用する土壌領域である根圏の複雑な環境を理解するための一歩である。根圏のバクテリアは、植物がリンなどの重要な栄養素を得るのを助けるが、この環境は地下にあるため、研究やイメージ化が困難だった。

この研究は、イメージングの専門家、Changhuei Yangの研究室、電気工学、生物工学、および医学工学のThomas G. Myers教授、ヘリテージ医学研究所の調査員、および電気工学の執行役員のコラボレーションである。生物学者Dianne Newman、生物学および地球生物学のGordon M Binder/Amgen教授、およびMerkin研究所教授の研究室。この研究について説明した論文は、ジャーナルProceedings of the National Academy of Sciencesに掲載されている。

「根圏のダイナミクスを観察するのは困難。なぜなら、根圏は不透明な土壌層の下に自然に隠されているからである。これが、これらの地域の細菌を画像化するより良い方法を開発する動機だった」と、新しい研究の共同筆頭著者であるポスドク研究員のReinaldo Alcaldeは話している。

従来、細菌の動態を研究したい研究者は、実験室の条件下で蛍光を発するように細菌を遺伝子操作し、その人工的な緑色の輝きを顕微鏡で見ることができた。しかし、すべての微生物種がこの方法で操作できるわけではない。細菌を画像化する別の方法である定量的位相イメージングは、蛍光を使用せずに透明度のわずかな違いを検出することができる。

この新技術は、これら 2 つの技術を 1 つの光学セットアップに組み合わせたものである。CFAST(Complex-field and Fluorescence microscopy using the Aperture Scanning Technique)と呼ばれるこの新しい技術は、市販の顕微鏡よりもはるかに速く、より少ないダメージで微生物群集の3次元画像を作成することができる。

「3Dカメラのセットアップにより、2つの技術は同時にシームレスに機能する」と、この研究の共同筆頭著者でもあるポスドク研究員のOumeng Zhangは話している。

この研究はまだ概念実証であるため、細菌群集は単純化された条件下で土壌の外側に画像化された。チームは、根と細菌を一緒に正確に画像化できるように、技術の開発と改善を続けることを目指している。

「これは、好奇心から生まれた学際的なコラボレーションであり、科学の2つの分野を融合させて有用なものを生み出した」(Alcalde)。

「土壌で実際に何が起こっているのかについては多くの疑問があるが、土壌から優れたデータを取得するための優れた技術の開発を目的とした取り組みはほとんどない」とYangは話している。
(詳細は、https://www.caltech.edu/)