高性能OEMレシーバモジュールで量子キー配信

October, 9, 2024, London--Innovate UKの150万ポンドのMARCONIプロジェクトは、高忠実度、モジュラー、スケーラブルなレシーバモジュールを開発､実証することにより、量子鍵配送(QKD)の状況を変革する。QKDは、量子力学の原理を活用して、2者間で暗号鍵を生成して配布する安全な通信方式であり、盗聴の試みを確実に検出できる。

このプロジェクトは、光接続ポイントで交換可能な、様々な技術に基づく2つの新しいOEM QKDレシーバを導入することを目的としている。これらのレシーバは英国のコンポーネントを使用して構築され、重要な量子ネットワーキング技術のための堅牢な国内サプライチェーンを確保する。

小規模なセットアップ、短距離通信のために、4-chシングルフォトンアバランシュフォトダイオード(SPAD)システムは、Bay Photonicsがパッケージ化したPhlux TechnologyのノイズレスInGaAs技術を備えている。より大規模な長距離アプリケーションには、グラスゴー大学の強化されたSNSPDを組み込み、Chase Cryogenicsの新しい1Kシステムで冷却し、Redwave Labsの新しいコンパクトタイムタガーと組み合わせた超伝導ナノワイヤ単一光子検出器(SNSPD)システムが採用される。Redwave Labsは、Fraunhofer CAP(Fraunhofer Centre for Applied Photonics)の光受信モジュールと組み合わされる、両システムの制御電子機器とタイムタガーを最適化する。

ケンブリッジ大学は、BBM92プロトコルを使用して、メトロネットワークと長距離ネットワークの両方でエンタングルメントベースの離散可変QKD伝送でこれらの受信機を展示する。このデモでは、MARCONIレシーバのスケーラビリティとパフォーマンスに焦点を当てる。

MARCONIプロジェクトは、量子ネットワーキングコンポーネントのＵＫ主導のサプライチェーンの確立と、量子ネットワークのスケーラビリティの向上という2つの重要なニーズに対応している。このプロジェクトは、2028年までに約50億ドルに達すると予測される、急速に成長するQKD市場を対象としている。MARCONIは、小規模および大規模の両方の設備向けに高性能OEMレシーバモジュールを開発することにより、市場を混乱させ、単一ソースサプライヤへの依存を減らすことを目指している。

MARCONIのイノベーションは、英国のサプライチェーン内での雇用創出と保護、より安全なQKDシステムの採用による国家安全保障の強化、高性能フォトニクスシステムの輸入依存度の低下、ＵＫフォトニクス業界の評判と影響力の向上など、経済的および安全保障上の大きな利点を約束する。システムインテグレータRedwave Labsが商業化の取り組みを主導する。このプロジェクトは、すべてのコンソーシアムパートナーに多額の収益と成長の機会をもたらすことが期待されている。

MARCONIイニシアチブは、Scalable Quantum Network Technologies: Collaborative R&Dプログラムの下でInnovate UKからの資金提供を受けており、スケーラブルな量子ネットワーク技術を市場に投入するという課題に取り組むＵＫの地位を強化するだけでなく、国家安全保障と経済成長も強化する。