September, 13, 2024, 和光--理化学研究所(理研)光量子工学研究センター テラヘルツ光源研究チームの南出泰亜 チームリーダー、瀧田 佑馬 研究員らの研究チームは、手のひらサイズで重さ500g以下でありながら、ピーク出力が10ワット(W)を超える高輝度・周波数可変なテラヘルツ波光源の開発に成功した。
この成果は、持ち運び可能なロボット搭載型の装置で、高鮮明なテラヘルツ波非破壊検査の実現に向けた大きな一歩である。
今回、研究チームは、近赤外パルスレーザと非線形光学結晶を含むバックワード・テラヘルツ波パラメトリック発振(BW-TPO)に必要な光学系を一体型モジュールとして研究開発し、手のひらサイズの高輝度・周波数可変テラヘルツ波光源を実現した。このテラヘルツ波光源は、縦横13.9cm×5.5cm、高さ3.7cm、重さ453gと容易に持ち運び可能であり、光ファイバを含むケーブル類を接続することで動作する。片手で持てる小型軽量な装置で、周波数0.3テラヘルツ(THz)帯のテラヘルツ波パルス出力として最大ピーク出力15Wと周波数可変幅60ギガヘルツ(GHz、1GHzは10億ヘルツ)を達成した。
研究成果は、オーストラリア・パースで開催される赤外線・ミリ波・テラヘルツ波分野で最大規模の国際学術会議「The 49th International Conference on Infrared, Millimeter and Terahertz Waves(IRMMW-THz 2024)」(9月1日~6日)でKeynote講演として発表された。