September, 9, 2024, 東京--東京大学大学院農学生命科学研究科の岩田洋佳教授らの研究グループは、ドローンに搭載されたカメラで収集したデータと機械学習を組み合わせ、作物の特徴を効率的に推定する新技術を開発した。
ドローンによる空撮画像と復元された植物体の3次元情報を用い、ダイズの高さ、重さ、茎の長さ、枝の数、節の数を推定できる深層学習(DL)モデルを構築した。このモデルにより、従来の方法では非破壊での測定が困難だった植物の重さも非破壊で推定可能となった。さらに、深層学習モデルが画像から抽出する情報(=中間層出力)は、これまで経験的に用いてきた特性と密接に関連するとともに遺伝的制御を受けていることも確認され、新品種育成のための評価指標としての利用可能性が示された。この技術は、ダイズに限らず他の作物にも適用でき、開花期や収穫量の予測にも応用できるため、農業の効率化や生産性向上に寄与することが期待される。
発表のポイント
・ドローンとAIを活用し、ダイズの構造を非破壊で短時間に推定できる深層学習モデルを開発し、従来の手法では非破壊測定が難しかった植物の重さなども推定可能とした。
・ドローン空撮画像と3次元情報を用い、従来の経験的尺度の背後にある植物の特徴を深層学習で抽出。経験的尺度と同様に遺伝的支配を受けており、新品種開発のための指標としても利用できる。
・この技術は、様々な作物に応用可能。新品種育成や栽培管理の効率化を促進し、農業の生産性向上と持続可能な農業への貢献が期待される。
(詳細は、https://www.a.u-tokyo.ac.jp)