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VRゴーグルや3Dグラスを装着せずにバーチャルキャラクタが鏡から飛び出す超鏡空中像表示システムを開発

August, 14, 2024, 東京--日本電信電話株式会社(NTT)は、デジタル情報が鏡の内外を自在に行き来できる超鏡空中像表示システムを、世界で初めて開発した。これにより、鏡の内外を問わずデジタル情報を高い実在感で表示し、インタラクティブかつ直感的な操作が可能になる。

技術のポイント
① リアル空間とバーチャル空間をつなぐ超鏡空中像光学系
図2に超鏡空中像の光学系とその動作を示す。光源となるディスプレイからの出射光はハーフミラーで反射されたのち、再帰反射材で再帰反射される。この光がハーフミラーを透過し、空間中に空中像として結像される。ディスプレイは移動機構を備えており、空中像の奥行位置を中央のハーフミラーをはさんで前後させることで、空中像が鏡の中と外を連続的に行き来するという超鏡空中像ならではの現象を提示できる。また、ハーフミラーを三面鏡のように配置することで、空中像が結像されるまでの光路長を大きく伸ばすことなく、空中像を視聴できる範囲を拡大し、視聴できるユーザ数を増加させる。

② 直感的なインタラクション手法
従来の空中像技術では、空中像に直接手を伸ばすなどの直感的なインタラクション手法が多く用いられており、超鏡空中像表示システムでも、鏡の外に表示された空中像に対しては同じ手法を適用できる。くわえて、このシステムではユーザが手を伸ばすことのできない鏡の中の空中像にも同様に直感的な操作を実現する手法を考案した。まず、リアル空間のユーザの手の位置座標をセンサで取得する。空中像を鏡の外に表示するときは、ユーザの手の座標をそのまま使って空中像を操作する。空中像を鏡の中に表示するときは、鏡に映った手の座標を算出して空中像を操作する。このように空中像の表示領域に応じて座標を切り替えることで、ユーザは鏡の内外を問わずに空中像と直感的にインタラクションできる。
(詳細は、https://group.ntt/jp/newsrelease/2024/07/26/240726b.html)