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基準光配信と光コムを用い、光源一つで大容量コヒーレント光通信に成功

August, 9, 2024, 東京--情報通信研究機構(NICT)フォトニックネットワーク研究室を中心とした国際共同研究グループは、基準光配信と光コム技術を組み合わせて、最新の商用光通信装置200台分の伝送容量に相当する毎秒336テラビット(Tbit/s)の光通信を実証した。
従来の方式であれば200個の光源が必要ですが、今回の実証では光源一つで達成しました。
研究で同グループは、光通信の周波数規格に準拠し、S、C、L波長帯のほぼ全域でコヒーレント光通信を可能とする高品質光コムの生成に世界で初めて成功した。これをネットワーク上での基準光配信技術と組み合わせ、送受信ノード間で自動的に周波数が同期する650波長のコヒーレント光通信チャネルを構築した。これらの通信チャネルで多値変調と空間多重を行い、大容量伝送を実現した。
この成果は、S帯通信用光源モジュールの商用化開発・実装を代替し得るもので、商用の波長多重通信の広帯域化を加速し、波長ごとに異なる数百個の通信用光源を用意する必要がなくなるので光通信システムの低コスト化が期待できる。加えて、マルチコアファイバなどの空間多重を更に活用すると、1本の光ファイバ回線当たり数千台分の通信装置からの光源削減が可能と見込まれ、より一層の低コスト化が期待される。

実験結果の論文は、米国サンディエゴにて開催された第47回光ファイバ通信国際会議(OFC 2024)にて、非常に高い評価を得て、最優秀ホットトピック論文(Postdeadline Paper)として採択され、現地時間2024年3月28日(木)に発表した。