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暗号化状態でセキュリティレベルの更新と演算ができる準同型暗号方式

January, 20, 2015, 東京--NICTは、暗号化したままデータを処理する「準同型暗号」において、暗号化したデータのセキュリティレベルを上げる技術を世界で初めて開発した。
 今回開発した技術により、プライバシーに関わるデータを個人の寿命よりも長い期間にわたって安全に利活用することが可能になる。一例として、保険・医療等の分野において、遺伝子情報などに対するプライバシーを長期にわたり保護した状態でのデータマイニングへの応用が期待される。
 NICTは、暗号化されたデータのセキュリティレベルの更新処理と準同型演算処理を同時に実現する暗号方式を世界で初めて開発した。これは、データを暗号化する際に暗号文をデータ領域と付加情報に分割し、付加情報を伸ばす技術を新たに開発したことによって実現した。これにより、数十年程度が限界であった安全なデータ利活用の期間を100年以上に伸ばすことが可能になる。加えて、大幅なシステム変更を伴わずに、より強固な暗号システムへの移行が可能となるので、ITコストの節減にもつながる。
 また、暗号化されたデータのクラウドサーバ上での統計処理を想定した実証実験として、100万件のデータに対する線形回帰計算を暗号化したまま行い、30分程度で処理ができることを確認した。また、セキュリティレベルを更新する機能を持たない従来研究と同じデータセットを用いて比較し、平均して100倍程度高速になることを確認した。