August, 2, 2024, Exeter--University of Exeterの科学者たちは、小さな粒子を光で捕捉する新しい方法を開発した。
ノーベル賞を受賞した光ピンセット技術(Arthur Ashkin、2018年)に基づいて、エクセター大学のDr David Phillipsが率いる物理学者チームは、光トラッピングの可能性を前進させた。
1980年代に開発された従来の光ピンセットは、ピンセットで何かをつかむのと同じように、特定の微小サイズの粒子や生物を引き付けて捕捉できる、しっかりと集束されたレーザビームである。
「しかし、光ピンセットでは、粒子は完全に固定されていない」と、筆頭著者のDr Une Butaiteは説明している。
「それは、それを取り巻く分子の熱運動の影響を受ける。風や波に揺れながらも錨によって漂流を防いでいる湖のボートのように、光ピンセットの中の粒子は絶えず揺れているが、その動きは一定の体積に制限されている」。
一般的に、この閉じ込め体積が小さければ小さいほど、光トラップの有用性がますます高くなる。
光ピンセットが機能するためには、レーザ光を非常に小さな領域にしっかりと集束させる必要があり、その領域は捕捉される粒子よりも大幅に小さくなる可能性がある。粒子が大きい場合、ほとんどの光は粒子の中心近くに留まるが、光は粒子の表面でより強く相互作用する。
言い換えれば、大きな粒子は利用可能な光を最大限に活用することができず、閉じ込めレベルが低下する。「ここが研究が介入するところだ。われわれは、粒子の真ん中に集中するのではなく、光が粒子を包み込むと、粒子がより強く閉じ込められ、一種のきつく抱きしめられるという仮説を立てた」(Dr. Phililips)。
しかし、最強の閉じ込めをもたらす光の正確な形状を決定するのは容易ではない。「ここには万能のソリューションはない。最高のパフォーマンスを得るためには、様々な粒子ごとにカスタムの光スーツが必要だ」とDr Butaiteは言う。
これを実際に実現するには、様々な数学的手法や数値的手法、厳密な実験手法を開発し、完成させる必要があったが、これらはすべて、Dr Jonathan Taylor (スコットランド)が率いるグラスゴー大学と、Stefan Rotter教授(オーストリア)が率いるTU Wienの研究者と共同で達成された。
この研究は、欧州研究会議、王立工学アカデミー、工学物理科学研究評議会、エジンバラ王立協会、オーストリア科学基金からの資金提供を受けて実現した。
学術誌「Science Advances」に掲載されたこの論文のタイトルは、「波面整形による光子効率の高い光ピンセット」”Photon-efficient optical tweezers via wavefront shaping”。