新しいX線装置が材料の「隠された層」を解明

July, 19, 2024, Enshede--トゥエンテ大学(UT)のナノラボは、新しい最先端の研究施設を開設した。この開設は、光電子特性評価と高度な材料合成における最先端の研究を開拓する大学の能力の大幅な進歩を表している。
そのマシンの1つであるオペランドHAXPESは、オランダ研究評議会のNWO大規模プログラムからの220万ユーロの助成金によって実現した。

オペランドHAXPES装置(HArd X線光電子分光法)は、この種のものとしては世界初である。これにより、UTのMESA+研究所の研究者は、材料が活性な間に、2つの異なる層の界面で材料内部を調査できる。これは、グリーン水素製造用の新しいタイプのバッテリーや触媒の開発に使用できる。

高エネルギーX線
HAXPESマシンは、高エネルギーX線を使用してサンプルをプローブし、深部コアレベル、埋没界面、および材料のバルク特性の検査を可能にする。この装置により、研究者は従来のX線光電子分光法(XPS)よりもはるかに深いレベルで材料を研究することができる。これは、低エネルギーのX線を使用する従来のXPSよりも運動エネルギーが高いためである。MESA+の新しいHAXPESは、新しい「オペランド」測定も可能にする。これは、気体や液体が存在する可能性があることを意味するが、これは超高真空を必要とする通常のXPSでは不可能。そのため、UTの研究者は、化学反応が起こっている間にエネルギー物質を調べることができるようになった。

パルスレーザ蒸着
HAXPES装置の他に、新しい最先端の研究施設にはパルスレーザ堆積装置(PLD)が装備されている。PLDを使用すると、研究者は、エネルギー、情報技術、および基礎材料科学のアプリケーションに不可欠な高品質の薄膜とナノ構造を合成できる。主な特徴は、超高温を可能にするCO2レーザによる直接サンプル加熱である。
(詳細は、https://www.utwente.nl/)