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高速スピン応答によるテラヘルツ光の電流変換に成功

June, 17, 2024, 東京--東京大学などの共同研究グループは、磁性と強誘電性を持つマルチフェロイクスのスピン励起に注目することで、テラヘルツ領域での光起電力効果の実証を行った。
今回得られた成果は、今まで実現が難しいと考えられていたテラヘルツ領域の光起電力効果が、マルチフェロイクスという磁性材料中の量子幾何効果を介して実現可能であることを示している。また、テラヘルツ帯でのエネルギー変換の効率が、可視や近赤外の光起電力効果に匹敵する大きさを持つことがわかった。マルチフェロイクス中のスピンが持つこのユニークなテラヘルツ光機能は、高速通信や様々なセンシング技術への利用が期待されているテラヘルツ帯の高機能デバイス開発につながることが期待できる。

研究成果は、2024年6月6日(英国夏時間)に英国科学誌「Nature Communications」のオンライン版に掲載された。

共同研究グループ
東京大学大学院工学系研究科の荻野槙子大学院生(研究当時)、森本高裕准教授、高橋陽太郎准教授らを中心とする研究グループは、理化学研究所創発物性科学研究センターの永長直人グループディレクター、十倉好紀グループディレクターらの研究グループと共同
(詳細は、https://www.t.u-tokyo.ac.jp