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CMU、レーザ粉末床溶融AMで縮小ポロシティを特定

April, 30, 2024, Pittsburgh--金属鋳物の一般的な欠陥である収縮気孔率が、レーザ粉末床溶融結合積層造形で特定された。

カーネギーメロン大学(CMU)、William Frieden Templetonは、レーザ粉末床溶融結合(PBF-LB)プロセスパラメータが微細構造にどのように影響するかを詳しく調べようとしたとき、PBF-LBアディティブマニュファクチャリングでこれまで見過ごされていた製造上の欠陥を発見するとは思っていなかった。

金属鋳物の一般的な欠陥である収縮気孔率は、金属が液体状態から固体状態に移行するときに形成される。金属は冷えて固化すると体積収縮し、この収縮が凝固微細構造によって液体金属の流路が塞がれて残りの液体金属で埋め戻せない場合、収縮気孔率が得られる。

「これらの欠陥は微細構造の規模で発生し、予期していなかったら発見するのは非常に困難。光学顕微鏡で見ると、小さな研磨傷のように見えることがよくある」と、機械工学Ph.D候補者Frieden Templetonは話している。

層ごとのPBF-LBプリントプロセスにより、再溶解によりこれらの収縮孔が除去されたり、部品の表面に近い場合はプリンティング後の加工中に除去されたりして、これらの欠陥が問題にならない。しかし、これらの細孔が十分に深く形成され、再溶解中に次の金属層がそれらを除去できない場合に問題が発生する。

「凝固とL-PBF加工の基礎に基づいて収縮気孔率の発生を説明したのはこれが初めてである。さらに、それを加工条件の関数としてマッピングし、研究者やエンジニアがプロセスパラメータ開発時に解釈しやすい形式でこの情報を提示することもできた。これは、このプロジェクトの学際的で協力的な性質があったからこそ可能になった」と、機械工学の助教授Sneha Prabha Narraは話している。

Frieden Templetonは、共著者である材料科学と工学Chris Pistorius教授が教える凝固処理コースを受講していた。同氏はこの研究に関与するサンプルの特性評価を行っていたため、コースワークと研究を迅速に結びつけることができた。

「これは、学生が大学院のコースワークを進行中の研究に適用することに前向きになったときに何が起こるかを示す適切な例である。CMUではよくあることだ。欠陥形成のメカニズムを理解することで、われわれは緩和戦略を提案することができた」(Narra)。

PBF-LBのプロセスパラメータ開発は近年大きく進歩しており、一貫して高い部品品質を達成できるようになっている。一方、この研究の結果は、ほとんどが低プリンティング温度(約100°C)で作成されるため、以前に確立されたプロセスパラメータを変更することはないようだ。今後の作業では、メーカーはAMのこの欠陥に注意を払う必要がある。

「これは、500°Cに近い高温でのプリンティングや、局所的な温度上昇の影響を受けやすい複雑な形状のプリンティングのためのプロセスパラメータの開発に取り組んでいる研究者やメーカーに特に影響を与えることになる」とFrieden Templetonはコメントしている。

「研究結果以上に、研究者がデータを収集し分析する際にオープンマインドを保つことがいかに重要であるかを強調したいと思う。このプロジェクトは、既存文献ではあまり言及されていないため、収縮気孔率を観察することを期待せずに開始した」とFrieden Templetonは話している。