コヒレント特設ページはこちら

Science/Research 詳細

機械学習活用による量子ドットの電荷状態推定と可視化に基づく更なる性能改善を実証

April, 30, 2024, 仙台--東北大学大学院工学研究科の武藤由依大学院生(電気通信研究所所属)、同大学材料科学高等研究所(WPI-AIMR)の篠﨑基矢特任助教と大塚朋廣准教授(電気通信研究所兼任)、同大学未踏スケールデータアナリティクスセンターの志賀元紀教授(大学院情報科学研究科兼任)らは、2つの量子ドットが静電的に結合した二重量子ドットのシミュレーションデータをCNNに学習させることで、電荷状態の自動推定器を実現し、実際の実験データにおける電荷状態推定を実証した。またGrad-CAM(Gradient-Weighted Class Activation Mapping)と呼ぶ技術を用いることで、推定器の判断根拠を可視化し、更なる性能改善が可能であることを実証した。
今後はこの推定手法とパラメータの自動最適化手法を組み合わせて量子ドット調整自動化を進め、量子コンピュータの大規模化に貢献することが期待される。

集積性や既存の半導体技術との親和性の高さなどの観点から、半導体スピン量子ビットは量子コンピューターの構成要素として期待されている。大規模な量子コンピュータに向けては、多数の量子ビットを連動させ、制御する必要があるが、その際に制御パラメータ調整の自動化が重要である。

研究成果は、米国物理学協会の専門誌APL Machine Learningにオンライン掲載された。
(詳細は、https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2024/04/press20240422-02-learning.html)