April, 24, 2024, Stockholm--バイオエレクトロニクスと重要なセンサにおける革新のスピードは、デバイスの迅速なプロトタイピングのための技術の発表により、新たな勢いを増している。
KTH王立工科大学とストックホルム大学の研究チームは、標準的なNanoscribe 3Dマイクロプリンタを使用して電気化学トランジスタを製造する簡単な方法を報告した。クリーンルーム環境、溶剤、化学薬品を使わずに、研究チームは、3Dマイクロプリンタを、レーザプリントやマイクロパターンの半導体にハックし、導電性、絶縁性ポリマを製造できることを実証した。
KTHのマイクロ・ナノシステム学教授、Anna Herlandは、これらのポリマのプリンティングは、医療用インプラント、ウェアラブルエレクトロニクス、バイオセンサ用の新しい種類の電気化学トランジスタの試作における重要なステップであると話している。
この技術は、高価なクリーンルーム環境を必要とする時間のかかるプロセスに取って代わる可能性がある。また、Erica Zeglioは、環境に悪影響を与える溶剤や現像液も使用しないと説明している。同氏は、この研究の共著者で、KTH王立工科大学、ストックホルム大学、RISEが共同で運営する研究センタ、Digital Futuresのファカルティリサーチャである。
「現在の方法は、高価で持続不可能なクリーンルームの慣行に依存している。ここで提案した方法は、そうではない」(Zeglio)。
バイオエレクトロニクスのコアコンポーネント
ポリマは、多くのバイオエレクトロニクスおよびフレキシブル電子デバイスの中核部品である。そのアプリケーショは多岐にわたり、生体組織や細胞のモニタリング、ポイントオブケア検査での疾患の診断など多様である。
「これらのデバイスの迅速なプロトタイピングには、時間とコストがかかり、バイオエレクトロニクス技術の普及を妨げている」(Herland)。
超短パルスレーザを用いたこの新手法は、バイオエレクトロニクス用のマイクロスケールデバイスのラピッドプロトタイピングとスケーリングの可能性を生み出すと、共著者でKTH教授のFrank Niklausは話している。研究チームは、この新手法を応用して、相補的なインバータと酵素グルコースセンサを作製した。
この技術により、標準的な電子機器の製造に使用されるような溶剤やリフトオフプロセスが不要になる。この手法は、他のソフトエレクトロニクスデバイスのパタニングにも応用できる。
Herlandによると、この手法によりバイオエレクトロニクスデバイスの研究が進み、市場投入までの時間が大幅に短縮される可能性がある。
「これにより、現在の部品の一部を、より安価で持続可能な代替品に置き換える可能性も生まれる」と同氏はコメントしている。
研究成果は、学術誌「Advanced Science」に掲載された。資金の一部は、KTHを拠点とし、デジタル技術の探求と開発を行う研究センタ、Digital Futuresから提供された。