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月への次のステップ:LZHとTUベルリンがAstroboticと提携

April, 17, 2024, Hannover--MOONRISEプロジェクトでは、研究者が月に3Dプリントを持ち込むことに取り組んでいる。Laser Zentrum Hannover e.V.(LZH)は、2026年後半に予定されている月への飛行について、Astroboticと契約を結んだ。

「宇宙技術の主要企業、Astrobotic社とのパートナーシップを発表できることを嬉しく思う。文字通り、この素晴らしいプロジェクトを盛り上げてくれるパートナーを見つけたことを嬉しく思う」と、LZHのCEO、Dr. Dietmar Krachtは話している。Astroboticは、商業目的と科学目的の両方で、月へのペイロードのエンド・ツー・エンド配送サービスを提供する月面物流会社。同社は、競争的な選定プロセスを通じて契約を確保した。

「MOONRISEチームは、月面での将来の活動のための重要な技術をテストしており、そのペイロードの輸送に競争的に選ばれたことに感謝している。MOONRISEは、急成長する月面経済への独自の計画的な貢献を進めるために、当社の着陸船配送サービスを利用することができる新しいアイデア、新しい科学のデモンストレーション、新しい国の種類の好例である」と、Astroboticの事業開発担当副社長、Dan Hendricksonはコメントしている。

レーザとAIによる月面での3Dプリンティングへの第一歩
LZHは、Astroboticの着陸船に小型で頑丈なレーザをペイロードとして搭載する計画である。このレーザは、レゴリス(表土)として知られる月の塵を溶かし、月面に2D構造を作る。カメラがこのプロセスをキャプチャし、地球上の研究者がインテリジェントな画像処理システムを介して分析できるようにする。人工知能(AI)は、月面上でレーザ溶融に適した場所を見つけるのに役立つだけでなく、印刷された構造物の品質管理も可能にする。

2年後の月面ミッションに向けてプロジェクトが準備を進めており、LZHはプロジェクトパートナーであるベルリン工科大学(TU Berlin)と共同で、レーザ溶融プロセスの最適化に焦点を当てて地球上での研究を継続している。研究者たちは、TU Berlinが製造した合成レゴリスを実験し、月面展開に向けてAIをトレーニングしている。

ビジョン:3Dプリントされた月面基地
MOONRISEプロジェクトでは、LZHとTU Berlinの研究者が、利用可能な材料を使って月面のインフラを製造する方法を模索している。地球から月への物質輸送は、1キログラムあたり最大100万ドルの費用がかかる。したがって、月の塵から着陸地点、道路、建物を直接作成することで、コストを大幅に削減できる。この実験は、レーザ溶融が月で実現可能であるという概念実証の提供を目的としている。