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2D材料スタックで半導体デバイスの低コスト化

December, 15, 2014, Raleigh--ノースカロライナ州立大学(NC State)の研究チームは、わずか1原子厚の材料をスタッキングすることで半導体ジャンクションを造れることを発見した。
 材料の結晶構造が不整合であるかどうかに関係なく、電荷を効率よく移動させることができるので、太陽電池、レーザ、LEDなど様々な半導体デバイスの製造コストを下げられる。
 ほとんどの半導体電子デバイスや光デバイスが機能するには、2つの材料が境界を接したジャンクションが必要。例えば太陽電池、レーザ、LEDのようなフォトニックデバイスでは、ジャンクションでフォトンが電気に変換される、またはその逆。
 すべての半導体ジャンクションは、材料間の効率的な電荷移動に依存して、電流がスムースに流れ、移動中のエネルギーロスが最小となるようにしている。従来の半導体ジャンクションでそれをするには、両方の材料の結晶構造が整合している必要がある。しかし、それは使うことができる材料の制限となる。結晶構造が確実に適合していなければならないからだ。整合する材料の数が限られると言うことは、半導体ジャンクションの複雑さや可能な機能を制限することになる。
 現在、半導体ジャンクションの作製は材料間の結晶構造を完全に整合させることであり、これには高価な装置、高度な処理法、また専門家が必要になる。この製造コストは、太陽電池、レーザ、LEDsなどの半導体デバイスが非常に高価に止まっている主因。しかし、2D材料スタッキングは、結晶構造の整合性を必要としない。
 NC州立大学材料科学・工学准教授、Dr. Linyou Caoは、「原子レベルの薄さの2D材料を使えば、結晶構造は問題とならない。この実験では硫化モリブデンと硫化タングステンを使ったが、これは基本的な発見であり、われわれの考えではこれはどんな2D半導体材料にも適用できる。どんな材料の組合せでも使うことででき、ランダムスタックすることができるが、それでも材料間の電荷の移動は効率的である」とコメントしている。