February, 1, 2024, 大阪--関西学院大学などの研究チームが発表した共同研究論文「Visualization and identification of components in a gigantic spherical dolomite concretion by Raman imaging in combination with MCR or CLS methods」(MCR法とCLS法を組み合わせたラマンイメージングによる巨大球状ドロマイトコンクリーション中の成分の可視化と同定)がSpringer Nature社刊行のScientific Reports誌に掲載された。
ラマンイメージングと多変量スペクトル分解法(MCR)ならびに古典的最小二乗法(CLS)の組み合わせにより、愛知県知多半島師崎層群中の巨大球状ドロマイトコンクリーションの成分分布と同定を行うことができた。MCRとCLSによるイメージングデータの解析から、このコンクリーションにはドロマイト、ケロジェン、アナターゼ、石英、斜長石、炭素質物質が含まれていることがわかった。炭素質物質がかなり多くの量コンクリーションの基質粒子の中に埋もれており、これは生物由来の有機物が存在することを示している。同研究により、この巨大球状コンクリーションが生物有機物起源であることを示す直接的な証拠を得た。さらにコンクリーションは起源有機物が分解されるよりも速く形成され、コンクリーション化に伴うシーリング効果により形成当時の状態(生物の有機物)を1000万年以上も保存することが明らかになった。
研究成果は、Scientific Reports誌に2024年1月7日にオンライン掲載された。
研究チーム
関西学院大学 生命環境学部 壷井基裕教授、同大学大学院 理工学研究科 博士課程前期2年 北中良佑氏、同大学 尾崎幸洋名誉教授、株式会社堀場テクノサービス 沼田朋子、公益財団法人深田地質研究所 村宮悠介、名古屋大学 博物館 吉田英一教授
(詳細は、https://www.nagoya-u.ac.jp)