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Science/Research 詳細

高密度信号のテラヘルツ波送信を高温超伝導体で実現

January, 19, 2024, 京都--京都大学電子工学専攻の掛谷一弘准教授、宮本将志修士課程院生ら、産業技術総合研究所量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センターの辻本学主任研究員らの研究グループは、ビスマス系高温超伝導体を用いた超伝導テラヘルツ光源からエフエム(周波数数変調)電磁波の空間への放射を実現した。

空間を飛ぶ電波・光を用いて大量のデータをやりとりする高速無線通信の要望が、コロナ禍を経てますます高まっている。その世界的な需要に対応するために、さらに進化した無線ネットワーク、Beyond 5G/6G技術の開発が急ピッチで進んでいる。こうした無線通信に必要な電磁波の周波数帯であるテラヘルツ帯の光源のひとつとして、超伝導テラヘルツ光源が研究されている。
研究グループは、超伝導だけが持つ性質であるジョセフソン効果を利用することで、市販の信号発生器から発生する3GHzのマイクロ波信号をTHz波に乗せて送信する、テラヘルツ波エフエム技術の開発に成功した。実験の結果、現行の光ファイバインターネットサービスの100分の1以下の時間で4K動画などの大きなデータを、無線で送れる能力を持つことが示された。

研究成果は、2024年1月10日に英国の国際科学学術雑誌Nature Photonics誌にオンライン公開された。

(詳細は、https://www.t.kyoto-u.ac.jp)