January, 11, 2024, 東京--東京大学大学院工学系研究科の佐伯峻生大学院生、中川桂一准教授、佐久間一郎教授らの研究チームは、従来の高速度撮影技術が抱えていた、ナノ秒時間領域における計測時間スケールのギャップを埋める撮影法の開発に成功した。
研究では、フェムト秒という極めて短い時間幅をもつ超短パルスから色の異なるナノ秒間隔の光パルス列を生成する精密な光学システムを開発することで、ナノ秒の時間領域で生じる現象をブレなく撮影する技術を確立した。実証例として、細胞中の衝撃波の伝播過程を世界で初めて捉え、細胞中の衝撃波速度の変化を実験的に示した。また、ピコ秒、ナノ秒、ミリ秒という複数の時間スケールにまたがり、超短パルスレーザ加工の全ての加工パルスにおけるプラズマや衝撃波という物理過程の同時撮影を達成した。
この手法は、複数の時間スケールをまたぐ一気通貫のデータ取得による高速度現象の理解や、機械学習等で用いるための高速な動画像データベース構築の強力なツールとして、基礎研究から産業まで広く貢献することが期待される。
(詳細は、https://www.t.u-tokyo.ac.jp)