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信じ難いほど微小な物体の観察に役立つ「ドーナツ」ビーム

January, 11, 2024, Boulder--新しい研究では、CU Boulderの研究者は、ドーナツ型の光ビームを使用して、従来の顕微鏡では見るには小さすぎる物体の詳細な画像を撮影した。

この新しい技術は、科学者がコンピュータチップの小型半導体を含むさまざまな「ナノエレクトロニクス」の内部構造を改善するのに役立つ可能性がある。研究成果は、Optics & Photonics News特別号「Optics in 2023」で取り上げられた。

この研究は、タイコグラフィの分野における最新の進歩であり、非常に小さなものを見るための強力な技術である。従来の顕微鏡とは異なり、タイコグラフィツールは小さな物体を直接見ることはない。その代わりに、ターゲットにレーザを照射し、光がどのように散乱するかを測定する。壁に影絵を作るのと類似している。

これまでのところ、このアプローチは1つの大きな例外を除いて、非常にうまく機能していると、研究の主任著者、物理学特別教授Margaret Murnaneは説明している。

「最近まで、周期性の高いサンプルや、規則的に繰り返されるパターンを持つ物体では、完全に失敗していた。問題は、ナノエレクトロニクスがたくさん含まれているからである」と、CU Boulder、米国国立標準技術研究所(NIST)の共同研究機関JILAフェロー、Murnaneはコメントしている。

同氏の指摘によると、一部の半導体のような多くの重要な技術は、シリコンや炭素などの原子が小さなグリッドやメッシュのように規則的なパターンで結合されてできている。今日まで、これらの構造は、科学者がタイコグラフィーを使用して間近で見るのが難しいことがわかっている。

しかし、新しい研究では、Murnaneとチームは解決策を思いついた。従来のレーザを顕微鏡で使用する代わりに、ドーナツの形をした極端紫外線(EUV)ビームを生成した。

研究チームの斬新なアプローチは、約10〜100nm、つまり100万分の1インチよりも何倍も小さい、小さくて繊細な構造の正確な画像を収集することができる。将来的には、さらに小さな構造でさえズームインして見ることもできるようになると期待されている。また、ドーナツ型ビーム(光角運動量)は、電子顕微鏡などの既存のイメージングツールのように、その過程で小さな電子機器に害を及ぼすことはない。

「将来的には、この方法を使用して、プロセス中に構造粗損傷することなく、半導体の製造とプリンティングに使用されるポリマーの欠陥を検査できる」(Murnane)。

2023年にJILAで博士号を取得したBin WangとNathan Brooksは、新しい研究の筆頭著者。

顕微鏡の限界を押し広げる
光の物理学のため、レンズを使ったイメージング機器では、約200nmの解像度までしか世界を見ることができない。例えば人間に感染するウイルスの多くを捉えるには精度が十分ではない。科学者はウイルスを凍結して死滅させ、強力なクライオ電子顕微鏡(Cryo-EM)で観察することができるが、これらの病原体を実際にリアルタイムで捉えることはまだできない。

2000年代半ばに開発されたタイコグラフィは、研究者がその限界を超えるのに役立つ可能性がある。

その方法を理解するためには、それらの影絵に戻る。科学者が、非常に小さな構造のタイコグラフィ画像、多分「CU」と綴られた文字を収集したいと想像してみる。そのために、まず文字にレーザ光線を当て、何度もスキャンする。光が「C」と「U」(この場合はパペット)に当たると、ビームがバラバラになって散乱し、複雑なパターン(影)が生成される。高感度の検出器を使用して、科学者はこれらのパターンを記録し、一連の数式で分析する。Murnaneの説明によると、十分な時間があれば、人形が落とす影から人形の形を完全に再現できる。

「レンズを使って画像を取得する代わりに、アルゴリズムを使用している」(Murnane)。

同氏とそのチームは、文字や星のような極微小な形状を見るために、このようなアプローチを以前に使用したことがある。

しかし、このアプローチは、シリコンやカーボングリッドのような繰り返し構造では機能しない。例えば、このような規則性を持つ半導体に通常のレーザビームを照射すると、信じられないほど均一な散乱パターンが生成されることが多く、タイコグラフィアルゴリズムは、あまり変化のないパターンを理解するのに苦労する。

この問題は、物理学者たちを10年近く悩ませてきた。

ドーナツ顕微鏡
とはいえ、新しい研究で、Murnaneとチームは、何か違うことを試してみることに決めた。チームは通常のレーザを使って影絵を作ったのではない。その代わりに、EUV光を照射し、螺旋状位相板と呼ばれる装置を使って、その光線をコルク栓抜き(渦)の形にねじった。(このような光の渦が平らな面を照らすと、ドーナツのような形になる)。

ドーナツのビームにはピンクの釉薬やスプリンクルはなかったが、うまくいった。研究チームは、この種のビームが繰り返し構造物に跳ね返ると、通常のレーザよりもはるかに複雑な影絵が作成されることを発見した。

この新しいアプローチをテストするために、研究チームは、リンクの1つに小さなスナップがある炭素原子のメッシュを作成した。研究グループは、他のタイコグラフィツールには見られない精度でその欠陥を見つけることができた。

「走査型電子顕微鏡で同じものを画像化しようとすると、さらに損傷を与えてしまう」(Murnane)。

今後、同氏のチームはドーナツ戦略をさらに正確にし、いつの日か生きた生物学的細胞の働きを含めて、より小さくより壊れやすい物体を観察できるようにしたいと考えている。