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プラズマソースでテラヘルツ波検出

January, 9, 2024, Rochester--ロチェスタ大学の研究チームは、プラズマベースの高出力テラヘルツ波光源を研究している。しかし、プラズマフィラメント内のテラヘルツ場を直接測定すると、プラズマ内に設置された検出器が故障してしまうため、科学者の課題となっていた。

先頃、米国を拠点とする2人の科学者が、強力なレーザの1回のショットによって生成されたプラズマフィラメント内のテラヘルツ場を直接検出したと報告した(Front.Optoelectron., doi:10.1007/s12200-023-00095-y)。2人は、テラヘルツ場誘起第2高調波(TFISH)生成と呼ばれる非線形光学プロセスを利用した。研究者によると、初めて人間が認識できる波長の信号を生成した。

THz検出の調査
研究チームは、THz信号のコヒーレント検出のための様々なオプションを研究しており、それには非線形結晶内の電気光学サンプリングと呼ばれるポンププローブ技術が含まれている。しかし、結晶内の共鳴などの問題により、THz波の効果的な検出が妨げられている。TFISHを用いた過去の実験では、高出力レーザを数ショットで撮影する必要があったが、科学者は1回のショットでTHz場の測定を行うことを選ぶ。

この目標を達成するために、米国ロチェスター大学のKareem J. Garriga FrancisとOpticaフェローのXi-Cheng Zhangは、通常のTFISH実験構成を変更しました。これは、基本波ビームと第2高調波ビームを混合して、自由空間に強力な(しかし目には見えない)THz電磁界を生成する。「テラヘルツ(THz)は目に見えないため、THzが捕集されなくなったり、THzの一部が水蒸気に吸収されたり、THzの焦点の形状が歪んだりする可能性がある。これはTFISHの変換効率の低下につながる」と、Garriga Francisは、話している。

Zhangによると、ロチェスタTFISH実験でファーフィールド第2高調波信号を測定することで、プラズマフィラメント内の局所的THz場の強度と分布を追跡した。Garriga Francisによると、この実験はテTHz波の発生時にTHz波を検出するため、収集光学系で誘導する必要はない。

Garriga Francisによると、実験装置の光学的アライメントが最大の課題だった。研究チームは「50〜100μmのプラズマと7μmのビームを数フェムト秒のスパンで空間的・時間的に一致させる」必要があった。

変換効率の向上
ロチェスタの実験では、TFISHの「変換効率が2桁以上向上した」ことが実証された(Garriga Francis)。また、この手法はTHz波の形状とスペクトルを明らかにしているが、チームは信号の電界強度を定量化する方法を学ぶ必要があると付け加えている。