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Aerogel、将来のTHz技術のキーになる可能性

January, 5, 2024, Linköping--高周波テラヘルツ波は、次世代の医用画像や通信など、様々な応用に大きな可能性を秘めている。スウェーデンのリンシェーピング大学(Linköping University)の研究チームは、Advanced Science誌に掲載された研究で、セルロースと導電性ポリマで作られたエアロゲルを通るテラヘルツ光の透過を調整できることを示した。これは、より多くのアプリケーションを解き放つためのテラヘルツ波の重要なステップである。
テラヘルツ範囲は、電磁スペクトル上のマイクロ波と赤外光の間にある波長をカバーしている。周波数が非常に高い。このため、多くの研究者は、テラヘルツ範囲が宇宙探査、セキュリティ技術、通信システムなどで使用できる大きな可能性を秘めていると考えている。医用画像では、波が組織に損傷を与えることなくほとんどの非導電性材料を通過できるため、X線検査の興味深い代替品にもなる。

とは言え、THz信号が広く使用されるようになるまでには、克服すべきいくつかの技術的障壁がある。例えば、THz波を効率よく作り出すことは難しく、THz波の透過を受信・調整できる材料が必要になる。

調整可能フィルタ
リンシェーピング大学の研究チムは、酸化還元反応によってTHz信号の吸収をオン/オフできる材料を開発した。素材はエアロゲルで、世界最軽量の固体素材の1つである。

「それはTHz光の調整可能なフィルタのようなものである。一方の状態では電磁信号は吸収されず、もう一方の状態では吸収される。この特性は、宇宙からの長距離信号やレーダ信号に役立つ」と、リンシェーピング大学LOE有機エレクトロニクス研究所のポスドク、Shangzhi Chenは話している。

同大学の研究チームは、導電性ポリマ、PEDOT:PSS、セルロースを使用してエアロゲルを作製した。また、屋外での使用を念頭に置いてエアロゲルを設計した。撥水性(疎水性)があり、太陽光による加熱で自然に解凍できる。

広い変調範囲
導電性ポリマには、調整可能な材料の作製に使用される他の材料に比べて多くの利点がある。とりわけ、生体適合性、耐久性があり、調整能力に優れている。調整可能性は、材料内の電荷密度を変化させる能力に由来する。セルロースの大きな利点は、他の同様の材料と比較して製造コストが比較的低いことと、持続可能な用途の鍵となる再生可能な材料であること。

「広い周波数範囲でのTHz波伝送は、約13%から91%の間で制御可能。これは非常に広い変調範囲である」と、LOEポスドクChaoyang Kuangは話している。

この研究は、スウェーデン研究評議会、戦略研究財団、高等教育研究国際化財団、クヌート・アンド・アリス・ワレンバーグ財団、ワレンバーグ木材科学センター、およびリンシェーピング大学のスウェーデン政府の新しい機能性材料に関する戦略的イニシアチブであるAFMを通じて資金提供を受けた。