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「レゴのように嵌まる」フォトニックチップが地場産業への扉を開く

December, 12, 2023, Sydney--新しい半導体アーキテクチャは、従来のエレクトロニクスとフォトニック(光)部品を統合している。物理学部のDr Alvaro Casas Bedoyaが設計したこのチップは、高度なレーダ、衛星、無線ネットワーク、6G通信におけるアプリケーションに見込がある。

シドニー大学ナノ研究所(University of Sydney Nano Institute)の研究者は、エレクトロニクスとフォトニック(光)コンポーネントを統合したコンパクトなシリコン半導体チップを発明した。この新技術により、無線周波数(RF)帯域幅が大幅に拡大し、ユニット内を流れる情報を正確に制御する能力が向上する。

帯域幅の拡大は、より多くの情報がチップを流れることを意味し、フォトニクスの組み込みにより、高度なフィルタ制御が可能になり、汎用性の高い新しい半導体デバイスが実現される。

研究者は、このチップが高度なレーダー、衛星システム、ワイヤレスネットワーク、6Gや7G通信の展開に応用され、先進的なソブリン製造への扉を開くと期待している。また、Western Sydney’s Aerotropolis地区のような場所でのハイテク付加価値工場の設立にも役立つ可能性がある。

このチップは、シリコンフォトニクスの新興技術を使用して構築されており、幅5mm未満の半導体上に多様なシステムを統合することができる。研究チームを率いるBen Eggleton副学長(研究)教授は、電子的な「チップレット」を使って、部品の高度なパッケージングを通じて新しい材料を組み合わすレゴの積み木を組み立てることに例えた。
この研究成果は、Nature Communications に掲載された。

チップ設計を主導した物理学部のフォトニック集積化担当アソシエイトディレクタ、Dr Alvaro Casas Bedoyaによると、異種材料集積のユニークな方法は10年かけて作られてきた。

「海外の半導体ファウンドリと、現地の研究インフラと製造を組み合わせて基本的なチップウエファを製造することは、このフォトニック集積回路の開発に不可欠だった」(同教授)。

「このアーキテクチャは、オーストラリアが付加価値プロセスを国際的なファウンドリだけに頼ることなく、独自のソブリンチップ製造を開発できることを意味する」

同教授は、連邦政府の国益重要技術リストに掲載されている項目のほとんどが半導体に依存しているという事実を強調した。

同氏によると、この発明は、Sydney Nanoでの研究が、NSW州政府が後援する、地域の半導体エコシステムの発展を目指す半導体セクター・サービス局(S3B)のようなイニシアチブによく適合することを意味する。

S3Bディレクタ、Dr Nadia Court博士は「この取り組みは、半導体技術の進歩を推進するというわれわれの使命と一致しており、オーストラリアの半導体イノベーションの将来に大きな期待を寄せている。この結果は、この分野への世界的な注目と投資が高まる極めて重要な時期に、研究と設計における現地の強みを強化するものである」

オーストラリア国立大学の科学者と共同で設計されたこの集積回路は、高度なリソグラフィーおよび成膜設備を備えた1億5,000万ドルを投じて建設されたUniversity of Sydney Nanoscience Hubのコア研究施設クリーンルームで構築された。

チップに内蔵されたフォトニック回路は、15GHzの波長可変周波数帯域幅を持ち、スペクトル分解能はわずか37MHzで、これは全帯域幅の1%の4分の1未満であるデバイスを意味する。

エグルトン教授は、「われわれの素晴らしいPh.D学生、Matthew Garrettトが率いるこの発明は、マイクロ波フォトニクスと集積フォトニクス研究にとって大きな進歩である。

「マイクロ波フォトニックフィルタは、現代の通信およびレーダアプリケーションにおいて重要な役割を果たしており、様々な周波数を正確にフィルタリングする柔軟性を提供し、電磁干渉を低減し、信号品質を向上させる。

「高度な機能を半導体チップに統合するわれわれの革新的なアプローチ、特にカルコゲナイドガラスとシリコンのヘテロジニアス集積は、地域の半導体環境を再構築する可能性を秘めている」(Eggleton)。

共著者、上級研究員Dr Moritz Merkleinは、「この研究は、広帯域周波数調整可能な新世代のコンパクトで高解像度のRFフォトニックフィルタへの道を開き、特に空中および宇宙飛行RF通信ペイロードに有益であり、通信およびセンシング機能の強化の可能性を開く」とコメントしている。
(詳細は、https://www.sydney.edu.au)