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理研、極超短パルス光を「光渦」に変換

December, 1, 2023, 和光--理化学研究所(理研)光量子工学研究センター アト秒科学研究チームのリン・ユーチー 研究員、鍋川康夫専任研究員、緑川克美 チームリーダーの研究チームは、光電場が振動する周期よりも短い時間幅の極超短パルスレーザ光(サブサイクル光)を「光渦」と呼ばれる特殊な光の状態に変換し、その時空間構造を制御することに成功した。

この研究成果は、「渦」の回転方向に対して非対称性を持つ水晶などの物質の超高速運動の回転方向依存性や応答速度を観測・制御する手段を提供するものと期待される。

通常のレーザ光の空間モード(ガウシアンモード)では光電場の位相は空間的に一様である。一方、光渦の空間モード(ラゲール・ガウシアンモード)では、ビームの中心に対して位相が渦を巻く構造になっている。今回、研究チームは、独自に開発した光学パラメトリック増幅(OPA)システムから出力されるガウシアンモードのサブサイクル光を、特殊なモード変換器でラゲール・ガウシアンモードに変換することに成功した。また、パルス光の時間軸上で定義される位相(キャリア包絡線位相(CEP))を変化させることによって、空間位相が追随して変化する様子を観測した。これはサブサイクル光渦においてはCEPが空間位相と一定の関係で結び付いていることを証明している。

研究成果は、科学雑誌『Light: Science & Applications』オンライン版(11月24日付)に掲載された。
(詳細は、https://www.riken.jp)