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コーネル大学、バグサイズのロボットの動力に燃焼を利用

November, 8, 2023, Ithaca--コーネル大学の研究者は、ソフトマイクロアクチュエータと高エネルギー密度の化学燃料を組み合わせて、燃焼を動力源とし、電気駆動の競合を追い越し、凌駕し、飛び越せる昆虫規模の四足歩行ロボットを作製した。

研究グループの論文「昆虫スケールロボットのための強力でソフトな燃焼アクチュエータ」はScienceに掲載された。筆頭著者はポスドク研究員Cameron Aubin, Ph.D. ’23.。

このプロジェクトは、コーネルエンジニアリングの機械&航空宇宙工学准教授、Rob Shepherdが主導。同氏の有機ロボティクスラボは以前に燃焼を使用してエレクトロニクス点字ディスプレイを作製した。

アリがピクニックから食べ物を持ち去るのを目撃した人なら誰でも知っているように、昆虫は、その小さなサイズが示唆するよりもはるかに力強い。しかし、その規模のロボットはまだその潜在能力を最大限に達していない。課題の1つは、「モータとエンジンとポンプをこのサイズに縮小すると実際には機能しない」ため、Aubinによると、研究者はそのような機能を実行するための特注の機構を作ることで補完しようとした。これまでのところ、これらのロボットの大部分は、電源につながれている。つまり、通常は電気である。

「自動車に搭載するのと同じように、高エネルギー密度の化学燃料を使用することが、これらのロボットの搭載電力と性能を向上させる1つの方法であると考えた。われわれが、必ずしも大規模な化石燃料のリターンを提唱しているわけでないことは、明らかである。とは言え、この場合、これらの非常に小さなロボットでは、1ミリリットルの燃料が1時間の運転につながる可能性がある。ロボットが持ち上げることさえできないバッテリの代わりであり、考えるまでもないことだ」(Aubin)。

チームは、全く束縛されていないモデルをまだ実現していないが (Aubinは途上にあると言う)、現在のバージョンは「力の出力に関して、競合を完全に圧倒している」。

長さ3インチ強、ペーパークリップ1本半に相当する重さの4本足ロボットは、難燃性樹脂で3Dプリントされている。本体には、足として機能する4つのアクチュエータにつながる一対の分離された燃焼室が含まれている。各アクチュエータ/フットは、底部にドラムスキンのようなシリコンゴムで覆われた中空のシリンダである。オフボードエレクトロニクスを使用して燃焼室に火花を発生させると、予混合されたメタンと酸素が点火され、燃焼反応によってドラムスキンが膨らみ、ロボットが空中に飛び出す。

ロボットのアクチュエータは、他の同様のサイズのロボットの約0.2ニュートンと比較して、9.5ニュートンの力に達することができる。また、100 Hzを超える周波数で動作し、140%の変位を達成し、体重の22倍を持ち上げることができる。

「燃焼による動力で、この規模のロボットでは、現時点ではできなかった多くのことを実行できる。ロボットは、実際に困難な地形をナビゲートし、障害物を取り除くことができる。そのサイズにしては、信じられないほどのジャンパーである。また、地上でも実に速い。そのすべては、これらの燃料駆動アクチュエータの力密度と出力密度によるものである」(Aubin)。

アクチュエータの設計により、高度な制御も可能である。基本的にノブを回すことで、オペレータはスパーキングの速度と頻度を調整したり、燃料供給をリアルタイムで変化させたりして、応答ダイナミックレンジを始動できる。少量の燃料と高周波スパーキングにより、ロボットは地面を横切って走り回る。燃料をもう少し増やし、スパーキングを減らすと、ロボットは減速して飛び跳ねる。Aubinによると、燃料を完全にクランクアップしてスパークさせると、ロボットは空中で60㎝鳶尾がる、これは体長の約20倍である。

「これらのマルチ歩行動作をすべて行うことは、この規模のロボットでは通常見られないものである。ロボットは這うかジャンプするかのどちらかだが、両方ではない」(Aubin)。

研究チームは、さらに多くのアクチュエータを並列アレイにつなぎ合わせることを考えている。マクロスケールで非常に細かい関節と非常に強力な関節の両方を生成できるようにするためである。チームはまた、繋がれていないバージョンの実現にも継続して取り組む予定である。そのためには、気体燃料から液体燃料に移行し、ロボットが小型のエレクトロニクスを搭載できるようにする必要がある。

「誰もがこれらの昆虫規模のロボットを、捜索救助、探査、環境モニタリング、監視、厳しい環境でのナビゲーションに使用できると指摘している。このロボットがこれらの燃料を使用することで性能が向上し、それが実際に可能な現実に近づくことができるとわれわれは考えている」(Aubin)。