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AIでX線自由電子レーザ(SACLA)の輝度を大幅増

October, 30, 2023, 和光--理化学研究所(理研)の共同研究グループは、人工知能(AI)を用いてX線自由電子レーザ(XFEL)施設「SACLA」のビーム調整を自動的に行うことにより輝度を大幅に向上させることに成功した。

研究成果は、SACLAを利用した様々な実験において精度の向上や利用時間の増大に貢献すると期待され.。

今回、共同研究グループは、AIを利用してSACLAの多数の調整ノブを同時に変化させ、XFELの複数の性能指標を同時に最適化することで、人による調整では到達できない性能を実現した。特に、XFELの強度だけでなくスペクトル幅も同時に最適化できるよう、新開発の高分解能スペクトロメータを導入することで大幅に輝度を増大させることができた。また、SACLAの日々のビーム調整を短時間で済ませられるようになったため、より多くのXFELを利用実験に提供できるようになった。

研究成果、学雑誌『Journal of Synchrotron Radiation』オンライン版(10月27日付:日本時間 10月27日)に掲載された。

研究グループ
理化学研究所(理研)放射光科学研究センター 先端光源加速器研究開発グループの田中均 グループディレクター(研究当時)、基盤光源チームの稲垣隆宏 チームリーダー、岩井瑛人 客員研究員(高輝度光科学研究センター 加速器部門 主幹研究員)、先端ビームチームの原徹 チームリーダー、前坂比呂和 専任研究員、SACLAビームライン基盤グループの矢橋牧名 グループディレクター、ビームライン開発チームの井上伊知郎 研究員他