Science/Research 詳細

NTT、空間分割多重技術を用いた伝送容量拡大と消費電力低減の両立に成功

October, 4, 2023, 東京--日本電信電話株式会社(NTT)は、増幅用光ファイバに12コアを高密度に配置したマルチコア構造を用い、主要な通信波長帯であるC帯において世界で初めてマルチコア一括増幅による、伝送容量拡大と省エネルギー化を両立した。
この成果により、従来技術に比べ消費電力を67%低減できることを世界で初めて実証し、マルチコアファイバ(MCF)を用いた伝送容量拡大技術に省電力化の付加価値を見出した。実証結果をもとにIOWN構想がめざす10チャネルを超える空間分割多重伝送路の一候補として、NTTは2030年目途での技術確立をめざす。
今回の成果は、スコットランドで開催される光通信技術に関する世界最大の国際会議(49th European Conference on Optical Communications(ECOC))に採択され、現地時間の2023年10月4日に発表予定。

研究の成果
マルチコアファイバなどの空間分割多重技術による伝送路の容量拡大に伴い、既存の増幅技術では光増幅器の台数が増加し伝送システム全体の消費電力が増加している。これに対し、マルチコア構造を用いた光増幅技術を適用すると、増幅用の励起光を複数コアで共有できるため、既存の単一コア構造を用いた光増幅技術に比べ省電力化が実現できると期待されていた。
研究では、2つの要素技術を用い、従来技術に比べ消費電力を67%低減できることを世界で初めて実証し、マルチコアファイバを用いた容量拡大技術に省電力化の付加価値を見出した。

3. 技術のポイント
① 増幅用光ファイバ断面内におけるコアの面積比率(コア密度)を最大化
② 光増幅器構成の最適化により励起光の損失を最小化

(詳細は、https://group.ntt/jp)