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フランウンホーファー研究所、レーザを用いたメタンガス漏れ検出機開発

November, 17, 2014, Freiburg--バイオガス工場を使用可能にするのは簡単ではない。中でもメタンのリークは特に問題がある。セキュリティ、技術的、経済的、環境フレンドリーの観点から問題がある。研究者たちは、リークの検出改善に役立つ技術に取り組んでおり、その過程でレーザは、数メートル離れてガス漏れを検出できるようになっている。
 ドイツには約8000のバイオガスプラントがある。これらはバイオマス由来のガスを使用して発電し、熱を生成している。2013年、オペレータは、26.42TWhを発電した。
 ガスプラントの運用と保守の要件は高い。ガス漏れが特に問題になる。ガスラインの連結、あるいは発酵槽からの極めてわずかな漏れでも重大な結果を招く。メタンの漏れは、火災、経済的損失となり、発電した電気のカーボンフットプリントの悪化となる。
 ドイツ連邦食料・農業省(BMEL)助成のプロジェクトで、研究者たちと計測装置メーカーは現在、ガス漏れ検出の問題に取り組んでいる。1年半かけて研究チームは、実証機を開発した。同装置は、レーザを使って、バイオガスや天然ガスの漏れを、接触することなく検出する。従来よりも一段と高速、正確になっている。プロジェクトには、フランウンホーファー研究所物理計測技術IPM、フランウンホーファー研究所環境・安全・エネルギー技術UMSICHTと計測器メーカーSchütz GmbH Messtechnikが参加した。
 フランウンホーファーIPMで開発された技術は、光学放射と後方散乱分光をベースにしている。現在、強いレーザビームの光がメタン漏れを検出する。同時に、ガスは戻り光の一部を明るくする。研究者たちは、その比率を分析し、漏れた物質の吸収スペクトラムからガス濃度を判断する。ガススペクトラムは非常に正確であるので、メタンだけを選択的に計測できる。この技術はボックス型の実証機に搭載されている。計測システムの光学部分は、レーザ、ディテクタ、カメラ、距離計で構成。接続したPCでデータを分析し、評価する。スクリーンで、漏れたメタンと漏れ口の正確な位置に関する情報をグラフィカルに編集して示す。最大15mの距離で計測が可能。
 約15㎝の連結部の共通フランジサイズは、3~4の測定手続きで計測される。また、この技術は部屋の過剰ガス濃度も検出し、これが人にとって危険かどうかも判定する。研究者は、組み込んだ距離計からのデータを使用して濃度を計算する。オペレータは、すでにどの程度のガスが漏れたかも知ることができる。
 フランウンホーファーIPMの計測技術専門家、Dr. Johannes Herbstによると、この技術は3~5年で市場に出る見込。研究室では、現在他の機能にも取り組んでいる。例えば、後方散乱光なしでメタンを検出することに成功している。この目的では、ガスそのものは強いレーザで照射される。