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Imec、SWIRセンサに薄膜ピンドPDを集積

August, 25, 2023, Leuven--Imecは、薄膜画像センサにピンドフォトダイオード構造集積成功を紹介している。ピンドフォトゲートと転送ゲートの追加で、1µm波長以上で薄膜イメージャの優れた吸収品質が最終的に活用され、コスト効率の優れた方法で可視光を超えてセンシング光の能力を解放する。

可視光を超える波長の検出は、例えば赤外光では、明確な利点がある。アプリケーションに含まれるのは、煙や霧を透過する自動運転車のカメラ、顔認識によるスマートフォン解錠カメラ。可視光は、Siベースイメージャで検出できるが、他の半導体は、短波赤外(SWIR)など、もっと長い波長を必要とする。

III-V材料の利用は、この検出限界を克服する。しかし、これらアブソーバの製造は高価であり、その利用を制限している。対照的に、薄膜アブソーバ(量子ドットなど)を利用するセンサが、最近、有望な代替として登場してきた。それらは、優れた吸収特性があり、従来の(CMOS)読み出し回路との集積可能性がある。とは言え、そのような赤外センサは、雑音性能が劣っており、そのため画像品質が低下する。

すでに1980年代に、ピンドフォトダイオード(PPD)構造がSiーCMOSイメージセンサに導入されていた。この構造は、追加のトランジスタゲートと特殊なフォトディテクタ構造を導入し、これにより集積が始まる前に(kTCノイズなしでリセット動作、前のフレームの影響なしで)電荷が完全に枯渇する。結果的に、ノイズ低下、パワー性能改善によりPPDsは、Siベースイメージセンサでコンシューマ市場を支配している。Siイメージングを超えて、この構造を組み込むことは、これまでできなかった。2つの異なる半導体システムのハイブリッド化が困難だったからである。

今回、Imecは、薄膜ベース画像センサの読み出し回路にPPD構造組込成功を実証している。この種のもので初である。SWIR量子ドットフォトディテクタは、インジウム・ガリウム・酸化亜鉛(IGZO)ベース薄膜トランジスタがPPDピクセルにモノリシックにハイブリッド化された。このアレイは、したがって、CMOS読み出し回路で加工されて、優れた薄膜SWIRイメージセンサを形成する。「プロトタイプ4Tイメージセンサは、並外れた低い読み出しノイズ6.1e-を示した。従来の3Tセンサでは>100e-であった。このことは、その優れたノイズ性能を示している」と、Imecの‘Thin-Film Pinned Photodiode’プロジェクトリーダー、Nikolas Papadopoulosは、コメントしている。結果、赤外画像が、少ないノイズ、歪、干渉で捉えることができ、正確さと詳細さが向上している。

(詳細は、https://www.imec-int.com/)