August, 25, 2023, Cambridge--MITの研究者は、DNAオリガミ技術を使って2D量子ロッドアレイをより速く作る方法を開発した(Sci. Adv., doi: 10.1126/sciadv.adh8508)。
研究者によると、製造時間を数日から数分に短縮する方法は、microLEDsや次世代ディスプレイにアプリケーションがある。
DNA活用
商用入手できるQLEDディスプレイは、従来のLEDバックライトに量子ドット層を加えて色とコントラスを強化している。量子ロッド層は、偏向光放出を強め、VRデバイス向け3D画像を生成することができ、ディスプレイ一般の光効率を改善する。
とは言え、高品質偏光光源は、その長軸に沿ってナノスケールからマイクロスケールで量子ロッドの整列を必要とする、これを確実に作るのが難しい。Mark Batheとチームは、DNAオリガミ、ナノスケールで2Dおよび3Dオブジェクトを造るためのDNAの折り畳みを、制御的に量子ロッドをDNAスカフォールドに堆積する新しいプロセスで利用した。それは、量子ドットと様々なサイズ、アスペクト比、スペクトル、シェル表面の量子ロッドの両方に適用できる。
「DNAは、製造材料として特に魅力的である。それが生物学的に作れるからである。つまりUSバイオエコノミーに即して、スケーラブル、持続可能である」と、MIT生体工学教授、研究の著者、Batheは話している。
ナノスケール精度
このアプローチを機能させる最初のステップとしてチームは、DNAストランドを量子ロッドに付着させる方法を考案しなければならなかった。そのために、Chenは、量子ロッドの混合物にDNAを乳化するプロセスを開発した。次に、その混合物を急速に脱水し、DNA分子がロッド表面に厚い層を形成できるようにする。
このプロセスは、わずか数分しかかからず、DNAをナノスケール粒子に付着させる既存のどんな方法よりも非常に高速である、したがって商用アプリケーションを可能にする決め手になる。
次にチームは、この高密度DNA機能化量子ロッドアレイをワイヤフレームオリガミテンプレートで作ることを探求した。開発したのは表面亜システム大規模アセンブリ(SALSA)、これにより固体基板に2Dオリガミラティスを直接構築することができる。これにより研究チームは、ナノスケールの空間的精度、方向精度でスケーラブルな2D量子ロッドアレイをテンプレート化できる。
「量子ロッドは、オリガミ上に同じ方向で存在するので、2D表面への自己形成によりこれら全ての量子ロッドをパタン化した。さらにmicroLEDsのような様々なアプリケーション向けに必要とされるマイクロスケールでそれを実行できる。制御でき、十分に分離されるように、それらを特定の方向に向けることができる。そのオリガミは、パズルピースのように詰め込まれ、自然に整合されているからである」(Bathe)。
次のステップ
研究チームは、脱水アシストDNA接合とSALSAが、ナノスケールDNAオリガミデザインを表面ナノファブリケーションへの移行促進に役立つと考えている。
「次のステップは、多くの異なる長さスケールでプログラムされた構造により、もっと階層的なアレイを作ることである。これら全ての量子ロッドアレイサイズ、形状、配置を制御できることは、あらゆる種類の多様なエレクトロニクスアプリケーションへの入口である」とMITの材料科学&工学准教授、Robert Macfarlaneは、話している。