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SPADディテクタを使い3D量子ゴーストイメージング

August, 16, 2023, Washington--カールスルーエ工科大学(KIT)などの研究者は、量子ゴーストイメージングで捉えた初の3D計測を報告した。その新技術は、シングルフォトンレベルで3Dイメージングを可能にし、いかなる計測にも最小フォトン量を可能にする。
「シングルフォトンによる3Dイメージングは、眼のケア診断など様々な生体医用アプリケーションに利用できる」と、ドイツ、Fraunhofer Institute of Optronics, System Technologies and Image Exploitation and Karlsruhe Institute of Technology(KIT),研究者、Carsten Pitschは、コメントしている。「それは、光の影響を受けやすい材料や組織、光露光で毒になる薬剤などのイメージングに損傷リスクなしで適用できる」。

Applied Opticsで研究チムは、新しいシングルフォトンアバランシュダイオード(SPAD)アレイディテクタを組み込んだ新しいアプローチを説明している。チームは、その新しいイメージングスキーム、非同期検出と言うスキーム適用して量子ゴーストイメージンクで3Dイメージングを行った。

「非同期検出は、軍事応用あるいはセキュリティアプリケーションにも有用である。検出されることなく観察するために利用できるからである。同時に過剰入射、乱流や散乱の影響も低減する。「われわれは、ハイパースケールイメージングでのその利用も研究したい。これにより極低フォトン線量を使いながら、マルチスペクトル領域が同時記録される。生物学的分析には、これは非常に役に立つ」。

第3次元の追加
量子ゴーストイメージングは、エンタングルフォトンペアを使って画像を生成する。そこでは、フォトンペアの一方だけが物体と相互作用する。次に、各フォトンにとっての検出時間を使ってエンタングルペアを同定し、これにより画像の再構成が可能になる。このアプローチは、極低光レベルでのイメージングを可能にするだけでなく、イメージングされる物体は、イメージングに利用されるフォトンと相互作用する必要がない。

量子ゴーストイメージングの以前のセットアップは、3Dイメージングができなかった。増幅CCD(ICCD)カメラを使っていたからである。これらのカメラは、空間分解能は優れているが、タイムゲート型であり、シングルフォトンの独立した時間検出ができない。

この問題を解決するために研究チームは、LiDARや医療イメージ用に開発された新しいシングルフォトンアバランシュダイオード(SPAD)アレイをベースにしたセットアップを開発した。これらのディテクタは、専用のタイミング回路を備えた多数の独立したピクセルを持つ。これにより、全てのピクセルの検出時間をピコ秒分解能で記録できる。

その新しいアプローチは、2つのエンタングルフォトン、シグナルとアイドラーを使い、シングルフォトン照射で3D画像を取得する。これは、アイドラーフォトンを物体に向け、次に時間内に後方散乱フォトンを検出する必要がある。一方、信号フォトンは、専用カメラに向けられ、これは時間と空間の両方で可能な限り多くのフォトンを検出する。研究者は、全ピクセルの検出時間をシングルピクセルディテクタの検出と比較して、エンタングルメントを再構築する。これにより、相互作用するアイドラーフォトンのToFを決めることかでき、それにより、物体の奥行きを決められる。

適応性のあるセットアップ
もう1つの重要なイノベーションは、エンタングルフォトンを作るために使用するKTP結晶の周期的ポーリングである。「これにより、ほぼどんな3重ポンプ信号アイドラーにも極めて効率的な擬似位相整合が可能になり、われわれは照射およびイメージングで自由に波長を選択できる。また、われわれは、そのセットアップを多くの他のアプリケーション、波長に適用できる」とPitschは話している。

研究チームは、2つの異なるセットアップを使って非同期検出スキームの3D機能を実証した。一つは、マイケルソン干渉計に類似であり、2つの空間的に分離されたアームを使って画像を取得する。このセットアップにより研究者はSPADパフェーマンを分析し、一致検出を改善できた。他方のセットアップは、フリースペースオプティクスを使用し、よりアプリケーション中心だった。2つの分離したアームでイメージングする代わりに、同一アームの2つの物体がイメージングされた。

さらなる研究が必要であるが、両方のセットアップは、その新技術の概念実証デモとして良好に機能した。実験は、非同期検出がリモート検出に利用できることを示した。これは大気測定にとって有用である。

研究チームは、空間分解能やSPADカメラのデューティサイクル(ディテクタONの時間比率)増のためにSPADメーカーと協働している。計画では、ファイバ結合アイドラーディテクタと置き換える。これは、最近利用できるようになったより高速のフリースペース結合ディテクタ。最後に、研究チームは、そのセットアップをハイパースペクトルイメージングに適用する計画である。これを利用することで、これらの波長で動作するディテクタなしで重要なMid-IRスペクトルでのイメージングが可能になる。