August, 9, 2023, 仙台--現代のコンピュータは、よく使うデータを内部の小規模な高速メモリに格納して利用することで高速な処理を実現している。一方でスパイプログラムと呼ばれる悪意あるプログラムを用いることで、この内部メモリのデータからユーザの秘密情報(パスワードや暗号鍵など)を盗み出すキャッシュサイドチャネル攻撃の脅威が指摘されており、その対策が急務となっていた。
東北大学電気通信研究所の上野嶺助教 は、日本電信電話株式会社(NTT)社会情報研究所およびドイツ・ルール大学ボーフム(RUB)のCyber Security in the Age of Large-Scale Adversaries (CASA) と共同で、同攻撃を防ぐための暗号技術SCARFを開発した。
SCARFは、同攻撃への対策の一つであるキャッシュランダム化を現代のコンピュータで安全に運用するために専用に設計されたものであり、数学的解析・定式化によりそのセキュリティが保証される。この技術は、今後開発されるコンピュータの高セキュリティ化に貢献すると期待される。
この成果は2023年8月9日から11日に米国カリフォルニア州アナハイムで開催される情報セキュリティに関する国際会議USENIX Security Symposium ’23で発表される。
(詳細は、http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2023/08/press20230801-02-spy.html)