August, 7, 2023, Boston--新しい研究による、2光子リソグラフィナノスケール製造をモニタする新方法は、3D人工組織スカフォールド作製の精度と効率改善に役立てられる。組織スカフォールドは、身体の天然細胞外マトリクスを真似ており、これは、組織形成に適した3D環境を作る。
ブラウン大学、Kimani ToussaintラボのPh.D学生、Jieliyue Sunは、Optical Imaging Congress(14 – 17 August 2023 in Boston)でこの研究を発表する。
「組織スカフォールドは、3D構造であり、組織工学、再生医療、薬剤テストなど、バイオメディカルアプリケーションのための細胞、組織の成長、発展をサポートできる。細胞挙動は、マイクロスケールレベルで、様々なスカフォールド形状で変化する。その形状キューを正確にコントロールする方法で研究することがわれわれの関心事である」(Sun)。
2光子リソグラフィは、2光子吸収として知られている非線形現象を利用し、回折限界以下の小サイズを特徴とする3D構造を作り出す。この製造アプローチは、3Dバイオメディカルスカフォールドの直接描き込みに非常適している、CADモデルベースで、高分解能、十分に定義された複雑な3Dマイクロ構造作成に使用できるからである。しかし、2光子リソグラフィで作成される構造の精度を評価するには、一般に、高価で、実装が難しい顕微鏡法を必要とする。
新しい研究では、研究チームは、新しい現場モニタリングアプローチを実証している。これは、2光子リソグラフィ製造のリアルタイム、レイヤー毎の監視に適応型バックグラウンドサブトラクション(減法)を利用する。それは、光学系の変更を必要とせず、ほとんどの2光子リソグラフィシステムに比較的簡単に実装できる。
その新しいアプローチは、軸方向で明視野顕微鏡の光学的セクショニング(切片)力を強化するモニタリングおよびプロセスコントロールアルゴリズを使う。各レイヤーで製造が始まる前にバックグラウンド画像を取得、さらに適応バックグラウンドからフォアグラウンドをサブトラクトすることで、それは機能する。これにより、以前にプリントされた層からの光学的コントリビューションが除去でき、単層情報が明らかになる。
研究チームは、任意の組織スカフォールドに類似の構造、ランダム方向の合成ファイバグループを製造することで、そのモニタリングアプローチを実証した。その3Dモデルは、1ーµm軸刻み幅の44セクションでできている。画像処理とクロス相関計算後、そのアルゴリズムを使って、製造プロセスの忠実度を示す品質パラメタ(q)を決定した。q値が、一定閾値以下の場合、エラーメッセージが発せられる。
「最適化されたプロセスパラメタでわれわれは、アーキテクチャの内部特性を明らかにしながら、高い形状忠実度を備えたインプットスカフォールドモデルを再現した。実験は、その新しいモニタリングおよびプロセスコントロール法が、2光子リソグラフィを使うナノ製造の品質と効率を改善することを示していた。この研究は、構造化組織スカフォールドの高忠実合成に道を開く。また、国立科学財団から助成を受けている」とSunは、付け加えている。