July, 31, 2023, 東京--東京大学大学院工学系研究科の武田俊太郎准教授らの研究チームは、情報を乗せた3個の光パルス(3量子ビット相当)で様々な計算ができる独自方式の光量子コンピュータの開発に成功した。
近年、実用化へ向けて特有の強みを持つ、光を用いた量子コンピュータへの注目が高まっている。その中で、2017年に武田准教授(研究当時:助教)らは、どれほど大規模な計算も最小規模の光回路で効率良く実行できる「究極の大規模光量子コンピュータ」方式を考案した。2021年にはその心臓部となる1個の光パルス(1量子ビット相当)の計算回路の開発に成功。今回、これをグレードアップして日本発「究極の大規模光量子コンピュータ」方式の小規模なプロトタイプを初めて完成させ、3個の光パルス(3量子ビット相当)で計算できる光量子コンピュータの原理実証に成功した。
開発した光量子コンピュータは、容易に光パルス数を増やせる拡張性と、計算の内容を切り替えられる汎用性を兼ね備えており、大規模汎用光量子コンピュータへの道を開くものである。また、その応用性の高さから、量子通信・量子センシング・量子イメージングなど多彩な光量子技術の実現を加速させるものと期待される。
研究成果は、米国東部夏時間7月25日に「Physical Review Letters」のオンライン版に掲載された。
(詳細は、https://www.t.u-tokyo.ac.jp)