July, 14, 2023, 仙台--東北大学大学院工学研究科応用物理学専攻大学院生の中村拓真氏(日本学術振興会特別研究員)、藤原巧教授、高橋儀宏准教授らは、同大学大学院工学研究科技術部の宮崎孝道技術専門職員との共同研究により、光ファイバと同じ材料と形状を持ちファイバ型光制御デバイスへの応用が期待できる新材料「完全表面結晶化ガラスファイバ」を創製した。
さらに、独自の緻密な結晶化制御により、光学単結晶にも匹敵する超低光損失を達成した。
日本が目指す未来社会Society 5.0の実現に向け、光通信の高速化・大容量化が急務である。光通信システムには、一般的に伝送を担う透明で非晶質のガラスのファイバと制御を担う結晶のデバイスが必要とされている。ところがガラスと結晶という異種(異形態)材料の混在は、光損失や接続不整合性の要因となり、さらなる通信の高速化・大容量化を阻む大きな課題となっている。
この成果は、光の制御と伝送が光ファイバへと一括化された新たな光通信システムを可能とするのみならず、ユニークな結晶化組織を活かした画期的な応用展開も期待される。
研究成果は、セラミックスに関する国際学術誌Ceramics Internationalに2023年6月28日にオンライン掲載された。
(詳細は、http://www.tohoku.ac.jp)