July, 12, 2023, つくば/仙台--東北大学国際放射光イノベーション・スマート研究センターの矢代航教授を中心とする研究チームは、シンクロトロン放射光という非常に強力なX線を複数の異なる方向から当てるマルチビーム化という独創的なアイディアなどによって、1ミリ秒を超える0.5 ミリ秒時間分解能での4D-X線CTの原理実証に世界で初めて成功した。
この技術の開発により、材料の破壊、流体や粘弾性体などの挙動、機械加工、摩耗、溶接、燃焼など、繰り返しが不可能な現象の4D可視化が可能になり、学術研究から産業応用に至る様々な分野への波及効果が期待される。
1秒間に30コマ(0.03秒/コマ)程度を超えるスピードで静止画を連続再生すると、人間の目には動画のように見える。近年の高速カメラの進歩は目覚ましく、人間の目の認識をはるかに超える短い時間スケールの現象も1コマ1コマ克明に写し出せるようになり、人類がこれまで知らなかった様々な現象が潜んでいることが分かってきた。しかしながら、可視光で観察できるのは、おもに物体の表面のみ。X線CTを用いると、物体の投影像を様々な方向から撮影することにより、物体の内部まで3D的に可視化できる。
研究成果は、2023年7月6日付で応用物理学分野の専門誌Applied Physics Express誌に掲載された。
(詳細は、http://www.tohoku.ac.jp)