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UT Photonics実験、積年の量子パラドックスを解決

July, 11, 2023, Twente--量子力学と熱力学が同時に真であることはありえないようだ。新たに発表された論文でトゥエンテ大学(UT)の研究者は、両方の理論がいかにして同時に真でありうるかを証明するために光チップでフォトンを使っている。研究チームは、最近、Nature Communicationsにその成果を発表した。

量子力学では、時間は逆転させることができるが情報は常に維持される。これが、どのようにして熱力学と同時に真であるかは、長い間分かっていなかった。そこでは、時間は方向性があり、情報は失われることもありうる。

この量子パズルに対する理論的解、原子による実験さえもすでにあったが、今回UT研究チームは、フォトンでもそれを実証した。「フォトンは、それにより時間を逆転させることが極めて容易であるという利点を有している」とDr. Jelmer Renemaは説明している。実験では、研究チームは、フォトンが通過できるチャネルを備えた光チップを使用した。まず、チームは、正確に各チャネルにいくつのフォトンが存在するかを決定することができたが、その後、フォトンは位置をシャフル(入れ換えた)した。

サブシステムのエンタングルメント
「われわれが個々のチャネルを見たとき、それらは熱力学の法則に従い、無秩序を構築していた。1チャネルの計測をベースにするとわれわれは、そのチャネルにいくつのフォトンが存在するかは分からなかったが、システム全体は量子力学と一致していた」(Renema)。様々なチャネル、サブシステムとして知られるチャネルは、エンタングルされていた。一つのサブシステムにおける不明情報は、他のサブシステムへ「消えている」のである。
(詳細は、https://www.utwente.nl/)