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ノースロップグラマン、テラヘルツICで記録達成

November, 4, 2014, Manhattan--ノースロップグラマン(Northrop Grumman Corporation)は、世界最速のICアンプリファイアを開発した。これはギネス世界記録に認定されている。
 このアンプリファイアは10個のトランジスタステージを用いて1THzの動作速度を達成している。これは、同社が2012年に達成した850GHzパフォーマンスを上回っている。
 テラヘルツ(THz)は、電磁スペクトラムの一部で、マイクロ波と赤外光波の間に存在する。研究者たちは以前から、「テラヘルツギャップ」と呼ばれるこの高周波帯域を利用しようとしてきたが、周波数変換や多重に頼らずに、必要な高周波信号を検出、処理、発生することができなかった。
 ノースロップグラマンのテラヘルツモノリシック集積回路(TMIC)は、スーパースケール25nmゲート長InP高電子移動度トランジスタを利用することで、このギャップを効果的にブリッジしている。このトランジスタの利得は1THzで10dB、1.03THzで9dB。因みに、現在のスマートフォンは1~2GHz、ワイヤレスネットワークは5.7GHzで動作する。
 DARPAのために開発したこの回路は、同社とDARPAの3フェーズ契約の最高点であり、トランジスタベースのエレクトロニクスは670GHz、850GHz、1THz動作と発展してきた。3つの成果全てが、5年内にノースロップグラマンが完成に成功したものである。
 「ノースロップグラマンのチームによるこのブレイクスルーは、高分解能セキュリティイメージングシステム、高度衝突防止レーダ、現在のシステムの何倍もの容量を持つ通信ネットワーク、潜在的に危険な化学物質や爆発物を遙かに高感度で検出できる分光計など、画期的な技術につながる」とDARPAのマイクロシステムズ技術局プログラムマネージャ、Dev Palmer氏はコメントしている。
 この他のアプリケーションとしては、大気センサ、電波天文学、医療イメージングなどがある。また、システムレンジ改善、既存システムのサイズ、重量、消費電力削減も期待できる。