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不安にリンクした脳のメカニズムを新発見

July, 5, 2023, Salt Lake City--パンデミックとその余波が、不安を新たな水準に押し上げた。しかし、不安に関連する症状の源は、強迫スペクトラム神経症(OCSD)を含め、まだ明確になっていない。ユタ大学ヘルス研究者の新たな研究で、研究室のマウスの不安関連行動の制御で、脳の微小細胞タイプ、マイクログリアの重要性についての見通しを得た。伝統的には、優勢な脳細胞タイプ、ニューロン、が、行動を制御すると考えられている。

研究者が示したところによると、ゲームコントローラのボタンのように、特別なマイクログリア集団が不安、OCSD行動を活性化する。一方で、他のものが、それらを抑制する。さらに、マイクログリアは、ニューロンとコンタクトして行動を引き起こす。研究成果は、Molecular Psychiatryに発表された。それは、最終的に、ターゲット治療への新たなアプローチにつながる。

ノーベル賞受賞者、Mario Capecchi, Ph.D.は、「少量の不安は、よいことだ」と言う。同氏は、ユタ大学(University of Utah)Spencer Fox Eccles School of Medicine名誉教授。「不安は、 われわれを刺激し、拍車をかけ、‘I can.’(できる)とわれわれの背中を押す。しかし、大量の不安は、われわれを圧倒する。われわれは精神的に麻痺し、心臓の鼓動が速くなり、汗をかき、混乱が心に定着する」。

「この研究は、類例がない。脳のマイクログリアの機能の役割についての現在の定説に挑戦する」。

新たに確認されたメカニズムは、正常な状態にある健康な範囲内での行動維持に重要である。病的な状況下では、そのメカニズムは、Capecchiによると、衰弱に至る行動を促進する。

「この研究はユニークであり、脳のマイクログリアの役割についての現在の定説への挑戦である」と研究の主筆、遺伝学者、神経科学者Ph.D、Naveen Nagajaranは、話している。

マイクログリアの操作
OCSKのような行動のマウスは、毛繕いを我慢できない。マウスは、毛が身体から剥がれ落ちるほど身体を嘗め、ミミズ腫れを発症する。以前に、チームは、Hoxb8という遺伝子の突然変異が原因でマウスが慢性不安の兆候を示し、過度に毛繕いをするのを発見した。思いがけなくチームは、これらの行動の起源がマイクログリアというある種の免疫細胞であることを確認した。脳に占めるわずか10%の細胞、マイクログリアが死にかけているニューロン、最も一般的な脳の細胞、異常な形のタンパク質を処分する脳の“trash collectors”(ゴミ収集者)と見なされた。その発見は、Hoxb8マイクログリアが、特別な神経回路と連絡することで行動を制御するために重要であることを初めて明らかにした。

しかし、マイクログリアがこうした作業をどう完遂するかは、謎のままである。さらに調べるためにNagajaranは、光遺伝学、レーザの光と遺伝子工学を統合する技術に目を向けた。ビデオゲームをプレイするように同氏は、レーザを使って脳のマイクログリアの特定集団を刺激した。

驚いたことに、スイッチを入れるだけで、マイクログリア集団は不安に関連した行動のスイッチを入れることができる。一つのサブ集団、Hoxb8マイクログリアを刺激するためにレーザを使うと、マウスは一層不安になった。レーザが脳の他の部分のHoxb8マイクログリアを誘発すると、マウスは毛繕いをした。さらに違う場所のHoxb8マイクログリアを標的にすると、多重効果が現れた。マウスの不安は増し、毛繕いをし、マウスは凍り付いた。恐怖の指標である。研究者がレーザのスイッチを切る時はいつでも、その行動は止まった。

Nagarajanは、「それはわれわれにとって驚嘆であった」と言う。「従来、ニューロンだけが行動を生成できると考えられていた。現在の研究成果は、マイクログリアを使って脳が行動を生成する第2の方法を明らかにした」。実際、レーザでマイクログリアを刺激すると、その隣のニューロンが一層強く発火する。2つの細胞タイプは、相互に連絡し合って独特の行動を促す。

さらなる実験により、Hoxb8を発現させないマイクログリア集団によってコントロールされる別の層が明らかになった。“non-Hoxb8” と Hoxb8マイクログリアを同時に刺激すると、不安やOCSDのような行動の始まりを抑えた。これらの結果は、マイクログリアの2つの集団は、ブレーキとアクセルのように機能していることを示唆していた。それらは、正常な状態では、相互に相殺し、信号のバランスが崩れると病気の状態を誘発する。

研究チームは、マイクログリアの場所とタイプが不安とOCSD行動の微調整にとって重要であるように見えることを示している。そこから、Capecchiによると、マイクログリアは特定のニューロンや神経回路と連絡を取り合っている、それが究極的に行動を制御する。「われわれはニューロンとマイクログリアの双方向コミュニケーションについて、もっと調べたい。それに何が関わっているのかを知りたい」。マウスのこれらの相互作用を明確にすることは、患者の過渡の不安をコントロールするための治療標的につながる。