導電性ポリマ立体配線で脳型コンピュータの実現へ一歩

July, 4, 2023, 大阪--大阪大学 大学院理学研究科/北海道大学 大学院情報科学研究院の赤井 恵 教授、北海道大学 大学院情報科学院の萩原 成基さん（博士後期課程）らの研究グループは、溶液中で電極に電圧を加えると重合成長する導電性ポリマの分子細線が立体配線材料として利用でき、さらにこれを用いて脳のように学習可能な脳型コンピュータを実現し得ることを世界で初めて明らかにした。
まるで脳が成長するかのように、溶液中で分子細線が伸長・配線されることで回路が学習し、その結果得られたネットワークに連想記憶を付与することにも成功した。

これまで導電性ポリマ細線は２次元平面上での配線しか実現されておらず、３次元配線性能については明らかにされていなかった。

今回研究グループは、既存の微細加工技術を用いて先端が鋭利な立体電極を作製した。これを避雷針に見立てて電界を先端に集中させることにより、導電性ポリマ細線が３次元的に成長可能であることを実証した。これにより、脳のように密な３次元ネットワーク構造を持った次世代脳型コンピュータの実現が期待される。

研究成果は、米国科学誌「Ａｄｖａｎｃｅｄ Ｆｕｎｃｔｉｏｎａｌ Ｍａｔｅｒｉａｌｓ」に、７月１日（土）（日本時間）に公開された。
(詳細は、https://www.hokudai.ac.jp/)