July, 3, 2023, Ottawa--オタワ大学マックスプランク光科学研究所の研究者は、テラヘルツ(THz)分光法とリアルタイムモニタリングを組み合わせることで材料科学における発見を促進する画期的なアプローチを提案している。
THz波は、物質の隠された秘密を明らかにできる電磁波。それは、他のタイプの放射には見えない材料の速い変化を捉えることができる。研究者は、現在、THz波を使って、かつてなく速い、50000fpsでシリコンのホット電子のリアルタイム運動を記録する。
オタワ大学、科学准教授、Jean-Michel Ménardをリーダーとする研究チームは、2つの技術、チャープトパルスエンコーディングとフォトニックタイムストレッチを使用した。
第1の技術は、THzパルスで運ばれた情報を光領域のチャープトスーパーコンティニウムにインプリントする、これは進行するレインボーに似ている。第2の技術は、そのインボーパルスを長いファイバ内部で時間的に伸ばし、情報レートを減速させ、先端エレクトロニクス装置でリアルタイム記録できるようにする。これらのステップは、20µs間隔のパルス列を使って反復される。これらは、統合され、材料内で低エネルギーダイナミクスのムービーとなる。
「この研究では、われわれは新しいフォトニクスシステムを紹介している。これは、複雑な物理現象をマイクロ秒に近い時間分解能で計測することができる。われわれのセットアップは、独特であり、ただちに時間分解THz分光法、様々な物質を分析する強力な技術となる」とMénardは説明している。
次は何か
このシステムを利用する実験は、分子の振動共鳴をトレースし、化学反応におけるナゾに満ちた酵素の役割を調べ、生物が突然の温度上昇に晒される時の生物の見えない変化を観察する。
「凝縮物質実験でわれわれの急速THzフォトニックシステムを使って一連の非可逆的電子あるいは格子再構成を観察する、とりわけ相転移の間に起こるものである。われわれは、これが新しい領域の高速、不可逆な電子、格子の再構成を明らかにする上で重要な役割を担うことを期待している。THz分光法をより一層効率的な評価ツールにすることが、材料物理学における影響力のある発見につながる」(Ménard)。
研究チームのフォトニックシステムによりチームは、不可逆な物理的、化学的、生物学的現象の挙動を研究することができる、これは、半導体、化学発熱反応、生物系におけるタンパク質の折り畳みにおける電子移転を含む。それは、素早い予測不可能なダイナミクスの隠されたダンスを明らかにする、われわれの世界理解を永遠に変えるものである。