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サンゴバン社とCNRSがNIMSに国際共同研究ユニットを共同開設

October, 29, 2014, Tsukuba--フランスに本社を置くサンゴバン(Saint-Gobain)社とフランスの国立科学研究センタ(CNRS)が共同開設する国際共同研究ユニット(UMI-LINK)が、物質・材料研究機構(NIMS)に設置され、研究開発活動を開始した。
 サンゴバン社及びフランスCNRS、物質・材料研究機構(NIMS)は、日仏間の材料科学・材料工学の交流・融合とそれに基づくイノベーションの実現を目指し、新しい国際共同研究ユニット(UMI) となる、「LINK」(Laboratory for Innovative Key Materials and Structures)を開設した。
 CNRSには、国際共同研究を推進するために、国際共同研究ユニット(UMI)という仕組みがある。UMIは、CNRSが他の機関と共同で開設する研究ユニット。これまで、サンゴバンとCNRS、CNRSとNIMS、NIMSとサンゴバンという2社間の協働による研究・開発が進められてきた。サンゴバンとCNRSは、これまでに、フランス国内での共同研究ユニット(UMR) を開設・運営してきたが、サンゴバンとCNRSが共同してフランス国外に研究ユニットを開いたことはなく、LINKは、サンゴバンとCNRSによって開設される初めての国際共同研究ユニットとなる。
 このサンゴバン、NIMS、CNRSの3者協働による新しい研究ユニットの設置というプロジェクトは、ハイレベルの研究者の国際協力関係構築の革新的なモデル。LINKにおける研究は、新規物質の創成、その合成、精製プロセス、物理化学的性質の測定などを含む。これらの研究分野は、材料化学に関連する研究ユニットを傘下にもつ、CNRSの化学研究所(Institute of Chemical Science: INC)が得意としてきた分野。一方で、これらの研究は、特徴的なナノ構造の評価手法やその物性モデリング手法、さらに、ナノ材料の特徴を発揮させる材料化技術を有するNIMSの研究チームや、NIMSの卓越した研究施設・設備の強力なサポートを受けて進められることになる。
 プロジェクトはサンゴバン社の基礎・基盤的研究活動を強化するプログラムの一部でもあり、サンゴバングループの研究者のスキル向上や才能ある若手研究者のリクルートのため、国際レベルの大学や公的な研究機関との共同で遂行されるものである。NIMSは、日本において技術者人材の育成を担う研究ハブとしての役割を担うことが期待される研究機関であり、NIMSのそうしたアクティビティーも、UMIがNIMSに設置される大きな動機となった。
 CNRSは既に日本国内に3カ所の国際研究ユニットを設けている。東京大学生産技術研究所に設置された「統合的マイクロメカトロニクスシステム研究所(LIMMS)」、産業技術総合研究所に設置された「AIST-CNRSロボット工学連携研究体」、国立情報学研究所に設置された「日仏情報学連携研究拠点(JFLI)」。今回のNIMSにおけるLINKの設立は、日本におけるCNRSの立場をより強固にするものである。
 UMIにおいては、特に、新しいナノ構造を持った物質について、その物理的・化学的な性質の解明という学術的な研究を進めるとともに、そのナノ構造を産業社会において活用するための探索的な応用研究が進められる。
(詳細は、www.nims.go.jp)