June, 12, 2023, Helsinki--ヘルシンキ大学をリーダーとする研究は、特に記憶喪失の原因となる有害なタンパク質の蓄積が、いわゆるPREP阻害剤によって阻止されることを示した。
パーキンソン病と類似のタンパク質蓄積は、アルツハイマー病や他の認知症でも見られる。そこでは、βアミロイドがプラークを形成し、タオタンパク質が、細胞内に凝集する、いわゆる神経原繊維変化である。現在の見解は、タオ凝集の形成は、最終的に神経細胞死に至る。また、タオ集積は、臨床症状ともよく相関している。タオは、例えば、前頭側頭認知症(FTD)を含む、いわゆるタオパシーという認知症にとって特に重要である。
ヘルシンキ大学Timo Myöhänen教授グループの新論文は、PREP阻害剤が、タオ蓄積と細胞モデルの毒性を減らすことを示した。これには、前頭側頭認知症患者からの患者由来ニューロンが含まれる。
見込のある細胞の結果の後、PREP阻害剤処置は、前頭側頭認知症のマウスモデルでもテストされた。臨床状況を追跡するために、記憶障害が始まるまでPREP阻害剤による一ヶ月の治療が行われた。治療後、コントロール治療を受けたマウスは記憶テストの成績が悪かったが、PREP阻害剤で治療したマウスは、通常の認知能力だった。
「われわれの最も重要な発見は、PREP阻害剤が、認知や記憶に関連する脳領域におけるタオ蓄積を減らしていたことである。また、神経変性疾患で一般的な酸化ストレスマーカーの低減にもつながった」(Timo Myöhänen)。
「PREP阻害剤治療後の記憶テストの結果が驚くほどよかった、類似の研究における治療は、通常は、兆候前に始められる、兆候が始まってからではない。これは、PREP標的薬剤のさらなる開発をサポートする。われわれは現在、これに対する投資家、協力者を探している」(Timo Myöhänen)。