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単原子分解能で電荷をイメージング

June, 7, 2023, Cambridge--新しい走査トネル顕微鏡法が、化合物表面の電子の振る舞いのナゾを解く。

材料は、一般に電気を通すか、絶縁するかであり、したがって実験物理学者、理論物理学者は、電導と絶縁の両方に見えるサマリウムヘキサボライド(SmB6)という化合物に魅了されている。過去50年で多くの研究が、SmB6は、絶縁体、電導金属のように機能することを明らかにしている。

Harvard SEASの研究者は、SmB6表面に沿った電子の正確な位置を単原子精度でイメージングできると言う、これはその化合物の特性の理解、それが絶縁と電導の両方である理由の理解のブレイクスルーである。Scienceに発表された成果は、2019年SEASの研究、SmB6がトポロジカルインシュレータであることを断定した研究に立脚している。すなわち、それは、内部ではなく、その表面に沿って電気を伝導する。

SmB6表面の金属性についての2019年の発見にも関わらず、その全般的な金属性と、異なる計測が一貫した結果を生み出さない理由について、多くの問題が残っていた。

「だれでも、電圧計で、ある材料が導電性か絶縁性かどうかを言うことができる」と論文の筆頭著者、Harris Pirieは言う。同氏は、SEAS Clowes Professor of Science Jenny Hoffmanラボの前Ph.D学生。「そのことがわれわれを魅了し、SmB6を物理学界でさらなるスポットライトを当てる」。

SmB6内で電荷の独特な挙動法を理解するために、PirieとUniversity of Oxford, University of Illinois at Chicago (UIC)、および他の研究機関の協力チームは、SmB6で電子分布を検出する新しいイメージングアプローチを開発する必要があった。

UICのDirk Morrとの話でチームは、走査トネル顕微鏡を適用する考えに狙いを定めた。これは、想像を絶する小さな針先端を使って材料表面の原子構造を計測する。チームは、SmB6の磁気共鳴を検出するために低温でそれを使った、磁気相互作用のシグネチャである。これが、金属候補を低温インシュレータに変える。「その磁気相互作用は、われわれが計測できる明確な共鳴を生成する。様々な表面上の点でその励起エネルギーを計測できれば、その位置で電荷が明らかになるとわれわれは予測した」(Pirie)。

全ての表面点で電荷を図示するためにSmB6表面全体にわたって針をスキャニングし、チームは、「山脈にあるような、トポグラフィックマップに見える読出しを作った」(Pirie)。

この方法を使いチームは、SmB6表面の原子欠陥周囲に累積する電子の最初の像を捉えた。SmB6サンプルを断片に断面化することでできた表面でさえ捉えることができた。「その計測を行った瞬間から明らかだった。われわれが探していた電子を見つけていたのだ。その欠陥の周囲に電子が形成したこの素晴らしい波のパタンを見た。それは高いSNRを示している。それは、極めてクールな瞬間だった」(Pirie)。

「その研究により、われわれは、トポロジカル材料における単一の原子欠陥の重要性を新たに理解することができる」と論文のシニアオーサ、Hoffmanは話している。

Pirieは、新しい量子デバイスを構築するために、走査トネル顕微鏡法を改良することに眼を向けている。「われわれが特定した原子欠陥は、量子回路構築に役立てられる。走査トネル顕微鏡のニードルは、バカげているほどサンプル材料に近くなる、もはやパッシブにイメージすることではなく、それはサンプルに触れ、それを変えることができる。SmB6の周囲に原子を動かすことができるか、その全ての電子を特殊な、制御されたチャネル、あるいはパドルに押し込めることができるかどうかに関心がある。望みは、戦略的にSmB6に原子欠陥を作ることで、電子が正確にトラップされqubitsを生成すること。つまり、量子コンピュータに必要な基本単位である」

それは、使える量子コンピュータの主要な障害解決に役立つかも知れない。量子コンピュータのqubitsの量子状態は、周囲環境の電子とのエンタングルが完全に禁止されていなければならない。

そのイメージング法から研究者は、様々な材料や化合物で電子の振る舞いを見る強力な分解能ツールを得た。「このツールは、わずか1原子の周囲の電荷の振る舞いを見ることができる、つまりわれわれは、もっと小さなスケールで世界を見ることができるのである。非常に多くの基本的な問題があり、これが、われの周辺世界についてわれわれが答える際に役立つ」(Pirie)。

(詳細は、https://seas.harvard.edu/)