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「超解像度」イメージング技術

June, 5, 2023, Columbia--オクラホマ大学(University of Oklahoma)、Stephensonバイオメディカルエンジニアリング准教授、Stefan Wilhelm, Ph.D.,をリーダーとする研究チームは、 ACS Nanoに、超解像度イメージングプラットフォームを説明する論文を発表した。狙いは、ナノ粒子が細胞内でどのように相互作用するかの理解向上である。

工学やヘルスケアで技術主導の機能がますます向上しているので、研究者やエンジニアは、健康の未来を前進させる新技術を開発している。そのような分野の一つ、ナノメディシン(ナノ薬剤)は、感染やガンと闘うために身体に薬剤をデリバリするためにナノ粒子の利用を研究している。細胞、組織、臓器でのこれらナノメディシンの評価は、工学イメージングで行われることがよくあるが、これはイメージング分解能の質に限界がある。生体組織内の3D超微細構造コンテクストでナノ粒子を見るために新しいイメージング技術が必要とされている。

「生体サンプルにおけるナノメディシンを見るために研究者は、電子顕微鏡か光学顕微鏡のいずれかを使う。電子顕微鏡は、空間分解能は優れているが、3Dイメージング機能が欠如している。光学顕微鏡は、優れた3Dイメージングを達成してるが、空間分解能が相対的に低い」とWilhelmは言う。「われわれは、電子顕微鏡のような分解能で生体サンプルを3Dイメージングできることを実証している。この技術、超解像度イメージングによりわれわれは、個々の細胞内のナノメディシンを見ることができる。この新しいスーパー分解能イメージング法を使いわれわれは、細胞内のナノ粒子を追跡、モニタを始めることができる。これは、細胞内の特定エリアに安全かつ効率的に届くナノメディシンデザインにとって必須である」。

研究チームは、、3Dスーパー解像度イメージング技術を、膨潤性ヒドロゲル内の内臓細胞に関与するエクスパンション顕微鏡法に適用した。オムツに使用されている水分吸収素材のように、ヒドロゲル素材は、水分に触れると物理的に元のサイズの最大20倍に拡大する。

「この拡大により、従来の光学顕微鏡を使用して約10nmの横方向解像度で細胞をイメージングできる。われわれは、この方法を細胞内の金属ナノ粒子をイメージングするアプローチとを組み合わせた。われわれのアプローチは、光を散乱させる金属ナノ粒子固有の能力を活用する。細胞内のナノ粒子をイメージングし、いかなるナノ粒子ラベルを付加することなく定量化するために散乱光を利用した」(Wilhelm)。

研究者によると、この超解像度イメージングプラットフォーム技術を使って、これらの技術の臨床への移行を進めるためのより安全で効果的なナノメディシンを改善することができる。